入社しました

みなさん、はじめまして。

4月からフィディリティムサウンドに入社しました、スガノと申します。

社長とはStereo誌企画の学生対抗スピーカー甲子園にて出会い、学生時代はアルバイトとして仕事をお手伝いしていました。

様々な縁があって、この春からお世話になることになりました。よろしくお願いいたします。

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入社報告記事だけでは心もとないので、本日アッセンブルしたDuo5 Activeについて少しだけ・・・

ブラックチェリーのバッフルの奥に、ピアノブラックの光沢が輝いています。

Mark Audio には様々な種類のドライバーがありますが、個人的に一番の好みはこのAlpair5v3です。

シングルサスペンションでストレスなく動く振動系を、背面にある47研究所製モノアンプが最短距離でダイレクトに駆動し、弦の擦れる音や、録音会場の静かな残響音まで、繊細に鳴らしてくれます。

Mark Audio のドライバーをお持ちの皆様はお気に入りの高価なアンプをお持ちのことと思いますが、一度このActiveの音を聴いてみてください。据え置きの大型アンプとはまた違った魅力があり、特にAlpair5v3の繊細さを引き出すのにベストなシステムだと思います。

PCの横に置いて音楽を聴くのも良し、寝室で静かにBGMを鳴らすのも良し、広い部屋でも充分な鳴りっぷりです。

Nature Collection NC5Hでも47研究所製モノアンプを搭載可能ですので、そちらと合わせてご検討ください。

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今後は私がメインでこのブログを更新していく予定です。

社長ほど音楽について知識や経験があるわけではありませんが、音響についてはエンジニアの端くれですので多少の知識はあると思います。

これからは社長の音楽に対する知見と、私の科学的な知見から、測定なども交えてMark Audio ドライバーそしてFidelitatem Sound Nature Collection シリーズの良さをお伝えしていく予定ですので、今後とも是非ご覧ください。

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次回の更新は、生まれ変わったNC7について・・・お楽しみに!

CHN40 発売開始

Markaudio最小口径CHN40発売開始です。


ホームページを更新しましたので、

詳細はこちらをご覧ください。

大変お待たせしました。CHN40の発売開始です。発売にあたり、資料を整理していると改めてユニットの性能に驚きます。ニアフィールドの原音再生を体感して頂ければ幸いです。

Bill Evansの”音”と”原音”

最近はようやくコロナ禍も峠を乗り越えたかに思えすぐに戻れるかはかわからないけれど早くイベントをやりたいと思う今日この頃です。イベントの出展は大変ですがお客様との思わぬやり取りが音楽やオーディオの本質を考えさせられるきっかけになる事があります。このハプニングはある年のAudiobase でのことでした。ビルエバンスのPortrait in Jazzを流していた時、突然あるお客様から『この演奏は何製のピアノですか?』とツッコミがあり、続けて『この時代ではヤマハの訳がないですから、やはりこれはスタインウェイですよね』『でもこの再生音はスタインウェイの音ではないですね!』と。

何だかマークオーディオにいちゃもんを付けられたような状況です。変な雰囲気が漂います…そっと周りの仲間を見回すと一人の目は虚ろでもう一人は下を向いてしまっています。このままではイベントが台無しになってしまいます…相手はクラシック音楽に精通している方に違いなく強敵です。そこで何も反論せずCDを取り替えます。ベートーヴェンのピアノ協奏曲を引っ張り出してしばらく流します。そしておもむろに『如何でしょうか?』と私、返答は『いや、すばらしい!いい音だ!これこそスタインウェイです。』

本音を言えばその時は『やった』と思っているのですが、逆にミキシングの課題を指摘された感もあり、原音再生の基本からみればそのとおりですから、ビルエバンスの音と原音については考えさせられるハプニングでした。

そして時が過ぎ、昨年エバンス好きの友人(お客様でもあります)Mさんから『ビルエバンス没後40年』と言う雑誌をプレゼントされました。この特集にはこの天才ピアニストをそれぞれの寄稿者の側面から本質を鋭くついた内容であり、改めて冒頭の出来事をどう考えればよいかを教えてもらった感がありましたので一部を紹介させて頂きたいと思います。

”ビルエバンスはその時代にあって異端のジャズピアニストだったのではと思う。エバンス以降その影響を大きく受けて彼の様に演奏するピアニストは沢山いるがそのヴォイシング、節回し音色、独特のタイムフィールは彼以前には聴けなかったものだ。どうしてこんな演奏ができるのであろう。(中略)エバンスと全く同じタッチで演奏したとしても、音を出す、そして切るタイミング。フレーズアクセントの付け方やリズムでとても同じ音には聞こえなくなるエバンスのタッチはクリアで澄んでいて鋭くて彼の音楽そのものがたった一つの音でも表現できるような音をしている。(以降ヴォイシングやビートのタイミング等、的を得た説明を加えていますが略します)”      藤井郷子さん(ジャズピアニスト)

また、

”フランスのピアニスト ”ジャンイヴティボテ”のビルエバンスとの対話”と言うアルバムを聴いた時のことだ。(中略)ビルエバンスの演奏をそのまま採譜して譜面化しそれをあたかもラヴェルやドビュッシーが書き記したピアノ作品の様に演奏した作品だ。(中略)エバンスの肉体とは関係ないところで完璧なテクニックとダイナミクスと繊細さを駆使してフランス人ピアニストが再構築しているにすぎない演奏である。エバンスでもなければジャズでもない二十世紀に即興の音楽として成立したジャズとは最も遠い行為だ。だがその演奏を聴いて初めて僕はエバンスが人類の音楽の歴史に残した仕事の価値を理解したように思った。96年の録音なので音はいいし完璧に調律されたスタインウェイの響きは抜群だ。(中略)ジャズ的なピアノの音に仕上げられていないその録音と整音も異化効果を助長している。(以下略)加藤総夫氏

実はこのCDは私も入手し実際に聴いてみました。が、確かにPortrait in Jazzよりずっと良い録音ですが残念ながら音が鳴っているだけで全くハートに届きません。藤井さんでは無いですが、エバンスとスコットラファロの演奏はワンタッチでそれとわかります。Portrait in Jazzのミキシングエンジニアはその時の感動を、そしてその素晴らしさをCDを聴く人達に是非伝えたいという気持ちがこのミキシングになっていったのではと思えます。原音を調整するにはその演奏に対する理解と節度を心得た調整が必要であろうと思います。(このソースは試聴室にありますから来られた方は試聴できます)

Jpopのミキシングはこてこてに塗りたくったお化粧の様にいじくりまくっています。Markaudioのユニットで再生するとその粗さが悲しいくらいすぐにわかりどうしても止めてしまいます。日本にも歌唱力に溢れた才能達はそれなりにいるのにこうやってスポイルしてしまいます。結局オーディオに携わる我々も含めて音楽を支える人たちが民度を蓄えその点で本当のプロにならないといけないのでしょう。もちろん原音に忠実なことは基本ですが、こう言った見地からはビルエバンスとスコットラファロの録音は”スタインウェイの音”で無くてもよいのかもしれないとおもいます。命と血を削りながら演奏するビルエバンスとスコットラファロの演奏をなめてはいけませんよ!。

昔の関連ブログ http://blog.fidelitatem-sound.jp/wp-admin/post.php?post=29&action=edit

NC5HでジョーパスのGibsonES175を聴く

此処のところ仕事が忙しくて、音楽を聴くのもおっくうになりそうになる様な心理状態でした。ようやく時間が取れる様になったので、反省をしてやはりちゃんと音を聴かなくてはと、雨の日曜日は限定版のNC5HMahogany をじっくり聴いてみる事にしました。

このスピーカーの音色を皆さんに伝えるにはと言う事で、このマホガニーはギターやベース楽器を製造するメーカーから譲ってもらったものですから、まずはギターソロとデュオを引っ張り出してきて弦楽器にフォーカスしたレポートにしてみました。








先ずは加藤崇之さんの最新ソロアルバムpepetanと言うCD、今まで購入したジャズギターの中でもトップレベルの演奏と録音です。そのNC5Hのから音が出たとたんに驚きました。このスピーカー何と言うか、オーディオ的な音がほとんどせず、アコースティックギターの弦の振動、箱の何とも言えない付帯音の自然感が抜群です。加藤さん円熟味が出てきましたね~。過日あるディーラーさんを訪問した時に、私はこのNC5Hを『このスピーカー楽器の音がしますよ!』と表現したのですが、意味が全く伝わりませんでした…。







これだけギターの音がリアルならと次はPabloレコードのジョーパスとN.H.ペデルセンのLive Duoを久しぶりに引っ張り出して試聴です。ノーマングランツの当時の録音は変な化粧が無いので音の本質を聴くことができます。

この頃のJoe Pass は、ギブソンのES175と言うフルアコを使っていますが、
これも聞いた途端に『アレッ。凄い』と仕事の手を止めて真剣に聞き入ってしまいます。こんなに古い録音なのに175の何と言うか骨太の渋い少し歪ませた音が伝わってきます。各トラックごとにどちらのピックアップを主に使っているかも良くわかります。凄いですね。ペデルセンのベースもバッチリです。太く音程も良く解ります。また、この時のジョーパスの演奏はギターの弦とピックが平行になっておらず時に擦る様な音が混ざって聞こえます。今までは気づきませんでした。

やはりオーディオの素材は常に素材(この場合はアフリカンマホガニー)の共振が起こります。その素材の倍音パターンと強弱比がソースの楽器の倍音に近いと楽器のニュアンスを再生し易いのでしょうね、MDFやラワン合板のスピーカーが当然だった時代(今も殆どの製品はこの時代ですが)には絶対に味わえない音です。これは。

大変お待たせしました。 7月21日(水)MAOP_5が ようやく日本に到着します。

大変お待たせしました。ようやくMAOP_5が到着し7月21日には入庫になります。

MAOPの処理プロセスは何度か空輸されるため(中国では加工技術がないので)、コロナの影響がおおきく2カ月程製造が遅くなりました。

またマホガニー無垢材のNC5が7ペアウォールナット無垢材を10ペア製造しまたので、ご希望の方はディーラー各社にお問い合わせください。

マイカコーンCHN50P試聴記

 2カ月程前、2020MOOK表彰式でマークオーディオ賞を受賞された青木氏(以下親しみを込め青木さんと呼ばせて頂きます)に弊社試聴室へご訪問頂き受賞作品を聴きながらのああのこうのオーディオ好きの談議を楽しみました。

実は青木さん理学博士の称号をお持ちで、オーディオ談議と言うよりはスピーカーの位相について資料まで用意されて教えて頂いています。先日はSmith Chartでスピーカーのインピーダンスとアンプの出力インピーダンスの合わせ方など教えて頂いています。

『青木さんところで今日は秘密の試作ユニットがあります。せっかくですから(写真の)作品に付けてみませんか?』と切り出してみましたが、取り付け方が特殊で急には変更できないので、貸出としてご自宅にお持ちいただきました。

それなりのその視聴レポートが届いています。色々な音楽ソースをトライして頂いていて、ユニットの特徴が解り易いのでお願いして公開させて頂きます。是非ご一読ください。

2021年4月11日

         試聴報告

 お貸しいただいている 4cmマイカドライバ・ユニットの試聴をしています。聴きながらのレポートです。

 MarkAudio賞をいただいたエンクロージャー:Traveling Wave 5 (TW5) にマイカユニットを取り付けました。コンテストのレギュレーションユニット:OM-MF4と外径が同一ですから、載せ替えは簡単。OM-MF4がメタリック・グレイなのに対し、Micaは薄ベージュのおとなしい色です。よく見ると、Micaのキラキラがあります。クラシック調で、自分の趣味です。

 音を出します。丁度、FM放送ではトーク番組中でした。人の声がとても自然です。”サ行“が変にシャカシャカすることなく、男声の低音が重たく響くこともありません。まあ、このくらいはMarkAudioなら当たり前、という予想通り。能率はOM-MF4よりは若干高そうです。84-86dBくらいかな。

 次に、音楽を幾つか。クラシックで恐縮。

 先ず、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。五嶋龍のヴァイオリンで聴きます。第1楽章冒頭から弦が綺麗に伸びています。気持ちがいい。独奏ヴァイオリンが入ります。いい音です。とても伸びやかです。音としては、極めて歪みが少ないのでしょう。キーキーすることが全くありません。音が綺麗です。第1楽章後半のカデンツァ。物凄い弱音の高音部分があるんですが、聴いている自分も思わず息を殺してしまうほどの静寂感。実は、この最弱音部は大口径スピーカーが得意とするところですが、4cmユニットがここまでできるとは・・・。この時点でOM-MF4よりMicaが勝っています。 第2楽章は緩徐楽章で弱音です。独奏ヴァイオリンはミュートを付けて演奏します。弦楽器の低音のピチカート、ちゃんと聞こえます。小型スピーカーでは聴き取れないくらいの音になるものが多いのですが、Micaユニットでは、ちゃんと聞こえます。しかもとてもセクシーなんです。ピチカートのセクシーさも大口径スピーカーの専売みたいなものですが、Micaできてます。(OM-MF4もできています。) 第3楽章は華やかなところ。ここではオーケストラがいいですね。各楽器の音もそれぞれ綺麗です。金管が音割れすることも全くなし。曲が終わって深呼吸したくなる満足感です。

 次にバッハのパルティータを聴きます。フィデリティムの視聴室にもあるマリア・ジョアン・ピリスの演奏。ピアノの演奏。この曲は静かな曲で、強打音がありませんが、ピアノのしっとりとした余韻の響きが曲全体で途切れることなく続きます。この響きの優しいこと。最高ですね。ここでも音が綺麗です。OM-MF4よりも高音が伸びている感じです。

 次に、同じくバッハのリコーダソナタを聴きます。リコーダはミカラ・ペトリ。チェンバロはあのキース・ジャレットです。キースの弾くチェンバロ、いいですね。チェンバロの音は高調波がたくさん含まれるのですが、きちんと歪まずに鳴らしています。変にチンチンすることが全くありません。ペトリのリコーダも綺麗。リコーダの音域はユニットの優劣が出にくい音域ですが、ここでは安心して聴けます。何と言ってもリコーダの音でも聴き疲れしません。リコーダの高音って、耳に残ってしまうのですが、Micaではそういう感じがありません。音がとても伸びやかです。

 次はピアノ。鍵盤楽器というより打楽器のピアノの打音には高調波がたくさん含まれるので、ユニットの良し悪しがはっきり出ます。川崎翔子の弾くベートーヴェンのワルトシュタイン・ソナタを聴きます。冒頭の小刻みな連符。ゾクゾクします。低音がよく聴こえます。左手の重い響きの音の厚みがとてもリアルです。もともと川崎さんは左手の音が強靭で、リストなどではとてもドラマチックな音楽を作ります。彼女の音の強さがこのMicaユニットだととてもよくわかります。高音も綺麗です。歪が全くありません。実はこの演奏で使っているピアノは日本に最初にピアノを持ち込んだというクロイツァーのピアノの復刻ピアノです。スタインウェイにはない土臭さがあって趣がある音です。Micaに限らずMark Audioのユニットには*****のような高音のクセがなくて自然な感じがいいです。 ・・・・うん、これ、凄いユニットです!

 では、ということで、ピアノをもう一つ。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。反田恭平のピアノで。冒頭のゆっくりクレッシェンドする低音。うん、これだ! いい感じです。オーケストラの重めの弦の響きもいいです。いやー。このユニット凄いです。(TW5との相性がいいのかもしれません。) ここまでくると、何か新しいスピーカーの時代の幕開けに自分が立ち会っているような興奮を感じています。  チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。アレクシス・ワイセンベルクのピアノで。1970年の古い録音です。ワイセンベルクの“ため”が凄い。流石のカラヤンも合わせきれないのですが、微

妙な拍のズレが凄い緊張感を生んでいます。この演奏、オーケストラも加わった強音時にはピアノの音が割れ気味になるのですが、このユニットで聴くと全然違います。某社のユニットだと爆発音のようになってしまう事があるのですが、Micaユニットだと、ピアノの音とオーケストラの音がきちんと聞き分けられます。

 では、声楽はどうか。鮫島有美子の歌う「さとうきび畑」。もともと綺麗な声の歌手ですが、とてもいいです。ビブラート、息づかい、・・・いいですね。声がまろやかです。私はクラシックが好きですが、声楽は殆ど聴きません。ベルカントだかドイツ唱法だかが好きになれません。秋川雅史の「千の風になって」なんて、止めてくれ、と言いたいくらい。でも鮫島由美子の歌はいいですね。ユニット評から脱線しましたが、このユニットは声がとても自然ですね。これもMarkAudioの特長ですね。

 次は長岡鉄男の挙げた優秀録音盤、武満徹「カシオペア」。小澤征爾指揮日本フィル、パーカッションはツトムヤマシタ。パーカッションとオーケストラの曲です。ドラムの音がズンと響かなくちゃ面白くないのですが、Mica頑張っています。流石にこういう曲は大口径に比べる訳にいきませんが、私の6畳の小部屋で聴く分には全く問題ありません。低音もボワボワせず、はっきりした低音、打音です。

 クラシックばかりでは中島さんに伝わらないでしょうから、ジャズを幾つか。

 Claire Martin – Trav’llin’ Light。昨年のコンテストの試聴曲。私にはジャズだと何がどういいかって表現できないのですが、低音がしっかり出ていて、ヴォーカルが綺麗です。

 同じ曲をJacinthaで。彼女の空気のような漂う声がうっとりさせてくれます。トランペット、ベース、ドラム、ピアノ、それぞれがそれぞれの空気を作っている感じがいいです。ユニット評になっていませんね。同じJacinthaのアルバムからMoon River。これもまさに空気のような歌声。語尾のtの音の残り香のようなセクシーさ。いいですね。中間部のピアノの強打音のアタックもしっかり聴かせてくれます。

 HiromiのSpark。冒頭のピアノのさざめくような弱音が綺麗です。途中からドラムが加わって曲調一変、ドラムとピアノの掛け合いでもきちんとそれぞれの音がぶつかりながらも全く崩れていません。

 Bill Evans Trio, Waltz for Debby。ここでも、いいね、ですが、後半のベースのソロ部分では、今まで聞こえなかったような雑音の様な音が入っているのが聞こえます。(特にTake1) このユニット、結構低音まで再生していますよ。低音がたっぷりしています。音の派手さはありません。とても真面目な音です。

 本当に低音が出ているのか? 正弦波形を入れてみると、40Hzを再生しています。びっくり。35Hzも5~10dB近く落ちているように聞こえますが再生できています。ひっくり返っていません。(倍音振動していることもありません。)4cmでこの低音は凄いです。

 最後に John Lewis のバッハ「平均律クラヴィア曲集」を聴きます。全4枚のCDですが、フーガ第8番。(前奏曲とフーカが交互に並ぶこの曲集、前奏曲はJohn Lewisのピアノ独奏による正調演奏、フーガはMJQのJazz演奏です。)ベースの低音が気持ちいいですね。その上をピアノの音が流れていく感じ。BGMに最高。

 もう1曲。最後にオーケストラの大曲。マーラーの交響曲第5番。エリアフ・インバル指揮フランクフルト交響楽団で。冒頭のトランペットの虚無感。第2楽章の嵐のような音のうねり。有名なアダージョ楽章の哀愁。4cmでオーケストラが聴けるなんて。しかもこれだけの表現力。隣に置いているSuper Swanといい勝負です。全体の音のバランスではSuperSwan+Pluvia7HDに軍配が上がりますが、低音の絞まり、高音のキレではTW5+Micaですね。こうなると、デザイン的に悪いSuper Swanを手放してもいいくらいですね。(いやいやSuper Swanは私にとってのリファレンススピーカーなので手放しはしません。)

 すばらしいユニットです。このユニットなら、どんなエンクロージャーでも鳴ってくれそうですね。TW5のようなバックロード(中島さんによるとトランスミッション型ですか?)でなくても、普通のバスレフでもいいでしょうね。インピーダンスによっては 2個使いできそうですね。しかも10倍の値段のユニットと遜色ない音で。

以下省略

青木芳雄

CHN50P(マイカ混紡コーン)とTozzi one kitのセット がステレオサウンドオンラインから発売開始です。ご存じですか?

実は長野県松本市の近郊にフィディリティムサウンドの加工施設を計画しておりその準備作業が大変で、仕事の糧でもあるブログもホームページも更新できず大変申し訳なく思っております。

まだ完成には道半ばですがとりあえず一段落しましたので、しばらくは新しい情報を発信する様にしますので、みなさん時々クリックして見てください(昨日、ホームページのCHR120,CHR90、NC9Kitの情報をアップデートしました)

先ずは上の写真をご覧ください。これがそのマイカ混紡パルプコーンです。コーンの表面にマイカが光って見えます。MMD(駆動部質量)1.6gですのでコーンだけで0.3g軽くなっています。ギターの箱なり、ピアノのペダルやハンマーの付帯音など明らかにリアルでマークオーディオに新しい魅力の光を放つであろう事を予感させます。

新先生が企画して頂いた『フルレンジユニットをDIY箱で楽しむ』シリーズでPluvia7、Alpair7MS、Alpair11MS、CHR120,と本当に最高の評価を頂いた関係で編集部をご訪問した関係で、Tozzi one kitを編輯長に聞いて頂く機会があり、キットのボディーを随分評価いただき、であればStereo Sound Shopで特別モデルを企画しましょうと言う事になりました。Tozzi one のボデーはMarkaduoのユニットに多く使われている強化ポリマーを冷却変形を考慮するとほぼ限界のサイズの箱で形成されています。

このマイカユニットは、試作中であったものですが、もう少し大きなサイズで販売する予定にしているのですが、先行してステレオサウンドにご提供させて頂くことにしました。

ステレオサウンドオンライン:https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/tk100_mhc2
何だかたどり着き難いのでご興味のある方は上のURLから直接入ってください。

次回は、昨年のステレオ誌第11回スピーカーコンテスト(https://www.youtube.com/watch?v=WaumcqUiFf4&t=345s)でマークオーディオ賞を受賞された青木 芳雄さん(理学博士)にマイカコーンのCHN40(仮称)を試聴頂きました。次回はそのレポートをお伝えします。

NC5Hウォールナット製造完了 さらに限定無垢マホガニーモデルを加えて販売開始

本年3月にNC5Hが完売となり購入を希望されていた方にはご迷惑をおかけしましたが、新しい木工工場が決まりしかも最高レベルの経験を持つ長野県松本市のパートナーと契約する事が出来ました。
松本市は木工技術のメッカで製品品質がさらにアップグレードしました。

特別に今回は特別にマホガニー仕様を発売します。この地区は木工関連の企業が互いに連携してビジネスを行っており、今回のNC5HのCNCカッティングは楽器工場にお願いしていますが、現地で製造工程を何度か打ち合わせを行う中で貴重な楽器用のマホガニー材(アフリカン)が手に入りる事になりました。今回使用するマホガニーは、この👉https://www.deviser.co.jp/products/duke-masterハンドクラフトギターで使用されている材で、社長ご自身の目で確かめて丸太ごと仕入れ乾燥保管され材料の一部を譲って頂くことができました。そのNC5Hマホガニーはこれです。

試聴室で聴いた私の印象は、スピーカーの存在が消え倍音、間接音が良く聞こえるイメージです。アコギやチェンバロの弦のうなりや箱鳴りが何とも言えない表現で再生されます。モノサスペンションとのコンビネーションは素晴らしいと思います。

スピーカー甲子園で活躍した元大学オーディオ研出身者が遊びに来て、『私はこれが好きです』と言っていました

NC5HマホガニーはMAOP付で129,000円(118,000円税別)、Alpair5v3 付で114,950円(104,500円税別)になります。


さらにNC5ウォールナット仕様は10ペア製作しました。実はウォールナットの原材料は相場が1.5倍に跳ね上がっており、販売料金を現行93,5000円(85,000円税別)を104,500円(95,000円税別)に変更させて頂きます。材料費比率が40%程度ですので何とかこの料金を維持したいと思います。

購入ご希望の方は販売店もしくは直接お問い合わせ下さい。MAOP5がご希望の場合は来月末発送に(製造状況は週明けにMarkaudioにZoomで確認予定)、Alpair5v3使用は2週間内に発送になります。

大変お待たせいたしました。MAOP_5限定数販売を開始します!


お待たせしました。このMAOP_5は2019年にMark Fenlon が、MAOP11の結晶化処理を行うときにAlpair5のコーンを50枚密かに試し焼きした事が発端になっています。昨年このコーンを使用して20ペア限定で発売したところ、数が数であったこともありブログ、HPのみでの限定販売にもかかわらず直ぐに完売してしまいました。その後、フィディリティムサウンドへ沢山の追加生産の問い合わせがあり、そのため私どもからマークオーディオに増産を依頼しておりました。

昨年暮れコーンのMAOP結晶化処理を100枚完了し、その中から日本向けの枠38ペアを今月輸入し限定の販売を開始します。販売価格は2万7千円(税別ペア)で据え置きとします。
若干の変更点はフロントグリルのに強化プレートを追加しました。
写真の装着モデルは前ロットのフレームです

また、MAOP5の新発売を記念してNC5,NC5Hのスピーカーシステムの限定販売します。このシステムにはアムトランス社の

(1)NC5H オイル仕上 3ペア限定 9万1千円(税別)
(2)NC5 オイル仕上 3ペア限定 8万2千円(ウレタン塗装は4000円プラス) 

今回のモデルにはアムトランス社製の0.7㎜単線x2本を撚ったツイストケーブルを使用します。
ディーラー店にお問い合わせ下さい。

*注)NC5(H)は昨年夏に1年間の予測台数を生産しましたが、販売予測を超え在庫が僅少になっております。大変恐縮ですが次期生産完了は4月を予定しておりますのでご理解をお願いします。