NC5H マホガニーの響きに浸る

みなさんこんにちは、スガノです。

先日はコイズミ無線でのイベントに大勢(40名超?)の方がお越しいただきました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。新先生の焼きカツオスピーカーを普段耳にすることが少ない珍しい音源で聴くことができる貴重な回でもありました。弊社なりにアレンジした紙筒製無指向性スピーカーが新先生から高評価をいただき、もしかしたらどこかで販売できるかもしれません。気になる方は暫し続報をお待ちください。

さて、飯田有抄さんにYoutubeで取り上げられてから大人気爆発のNC7v2 Combination、マツコの知らない世界のスピーカー回が放送されてさらに注文・お問い合わせが増えております。大変ありがたい限りです。

そんなNC7の人気に埋もれてしまわないように、今回はNC5Hマホガニーについて触れたいと思います。楽器に使用される無垢のマホガニーを全面に使用した、マニア垂涎・完売必至のモデルなのですが、最近はどうも皆さんNC7の方ばかりに目が行ってしまっているようで、なんとまだ在庫があります。貴重なマホガニーを使用しているため、作れる数は限られています。入手するなら今ですよ!

NC11WP NC7v2WN NC5Hマホガニー マホガニーは木目に独特の奥行きを感じる光沢があります

などと売り文句ばかりを並べていてもNC5Hマホガニーの良さは伝わらないと思いますので、今日はマホガニーがどう音に影響するのか、簡単にレビューしたいと思います。

弊社Nature Collection で主に使用しているハードメイプルとウォールナットは、どちらも重厚で堅い木材です。ハードメイプルの方がより堅く、シャープな響きで立ち上がりの早い音、ウォールナットはより重く、マイルドで余韻のある響きが特徴です。

スピーカーのサイズが小さくなるほど、同じ木材を使っていても堅さが変わるので響きも変わります。NC7以下のサイズで全面ハードメイプルを使ってしまうと音が固くなりすぎてしまうため、NC7v2ではハードメイプルとウォールナットのコンビネーションで世に出しています。NC5Hはもっと小さいので、メイプルは使用せずに以前はウォールナットのみの展開となっていました。

数年前からNC5Hにマホガニーを使用したモデルを商品化していますが、特に中域の響きが絶品です。ギターやベースのボディの響きがまるでその場で演奏しているかのような実在感で、ドラムを叩いた後の「ホワッ」とした(擬音があっているか分かりませんが)余韻がとても気持ちよく鳴ります。ちょうど、NC11のハードメイプルとウォールナットの対比(シャープ:マイルド)が、NC5Hのウォールナットとマホガニーの対比によく当てはまると思います。(NC5Hウォールナットがシャープな音かというとそういうわけでもないのですが、あくまで対比ということで)

YAMAHAのマホガニーを使用したギター。このボディの鳴っている雰囲気が心地いい…

実はマホガニーの比重はウォールナットよりちょっと軽いくらいで、それほど軽い木材ではないんですね(勝手に軽いものかと思っていました)。しかしヤング率はウォールナットより2割ほど小さく、比較的柔らかい木材だと分かります。箱の側面をノックしてみると、ウォールナットは「コツコツ」と響きがすぐ収束するのに対し、マホガニーだと「コンコン」と若干の余韻を残した響きが確認できます。ドアにマホガニーを使ったら、気持ちいいノック音が聞こえてきそうです。

NC5Hウォールナットの重心が低く芯のある鳴り方も良いですし、マホガニーの軽やかで広がりのある鳴り方も素敵です。イベントでこれらの比較試聴はあまりやったことがないと思うので、違いを聴いてみたいという方は弊社事務所までお越しいただければ存分ご試聴いただけます。買うまで返さないぞ!なんてことはありませんので、お気軽にお問い合わせください。

ご購入は、コイズミ無線、他取扱店まで!

では、また。

コイズミ無線にてイベント開催!3/2(土)

みなさんこんにちは、スガノです。

2024年3月2日(土)にコイズミ無線様にて試聴会を開催します。以下内容です。

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今回はゲストに新忠篤先生をお招きします。

また、テレビでも取り上げていただきましたNC7v2や、今話題のCHN719などイベント内容盛り沢山です!

(1)Micro NC4&Solid Diceの試聴!!

リビングオーディオとして展開している小型モデルの聴き比べをします

“Micro NC4”と”Solid Dice”


Micro NC4 スプルース、ウォールナット無垢、カラマツの3種類

飯田有抄さん愛用のスピーカーの使い方を色々と試してみます。
小型ながらMarkaudioの本質的な音色を再生するこのLiving Audioシリーズの音をどうやって鳴らせば
良いか、アンプなどを変えて視聴をします。ご自宅のお部屋やリビングに置いてみたくなりますよ。

(2)新忠篤先生作”焼きかつおスピーカー”と焼きガツオキット(仮称)の試聴!!

新忠篤先生が4段~7段積のCHP90マイカを使用した焼きかつおスピーカーをご披露頂きます。
こんな感じです。

そして『焼きガツオは猫を飼っている人は作れるけどどうすればいいんだ』と言うお客様のために
フィディリティムサウンドが焼きガツオキットを試作しました。(ユニットはCHN719のプロトタイプです)

 遊び感たっぷりのスピーカーの音を長年レコード事業に携わってこられた新忠篤氏の貴重なソースで楽しみましょう。

(3)今話題のCHN719とNC7kitの試聴!!

コイズミ無線では、2月入荷分もあっという間に全て完売…!

今話題の10cmフルレンジユニット”CHN719″とそのフレームに合わせて作成した”NC7kit”をご試聴いただけます!

気になっている方、またCHN719を既にご購入の方も!ぜひご体感ください。現在4月入荷分の予約も開始しております!

(4)メディアでも話題のNC7の聴き比べ!

TBSテレビ「マツコの知らない世界」でも取り上げていただきました、”NC7v2 メープル&ウォールナットモデル”とフルウォールナット無垢とをご用意します。

これらを聴き比べできる機会はなかなかございません! 楽器の種類やジャンルを変えて無垢材の魅力を聞きます。

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先日、マツコの知らない世界でNC7v2 Combinationが取り上げられて以来、多くのお問い合わせとご注文をいただいています。TVの宣伝効果は凄いですね…ご紹介してくださった飯田有抄さんに感謝です。

CHN719も相変わらず爆売れしています!CHN719をNC7kitに取り付けられるようなアダプターと、CHN719のフレームに合うようにバッフルを彫った専用のNC7kit719Verもご用意しております。

アダプターリングとNC7kit(通常Ver)への取付イメージ

719VerのNC7kitはコイズミ無線で10ペアのみの限定発売となっておりますので、ご注文はお早めに!

是非イベントにお越しください!

CHN719 売れてます!

あけましておめでとうございます。スガノです。

今年もFidelitatem Sound、そしてMarkaudioをよろしくお願いいたします。

さて、前回のブログで取り上げたCHN719ですが、売れ行き好調のようです。ある販売店では、既に何十ペアと予約が入っていると聞きました(!)。早速工場に連絡し、増産を始めてもらっています。ご予約いただいた皆様、ありがとうございます。日本には今週中に入ってくるので、早ければ今週末には皆様のお手元に届くのではないでしょうか。

今回はCHN719をNC7kitに取り付けたときの特性と、バッフルの形やユニットの位置によってどのような特性の変化があるのか、見てみたいと思います。

上の画像がCHN719をNC7kitに取り付けた際の特性です。ユニットのエッジ共振やエンクロージャー角のエッジディフラクションによる凹凸は軽微で、低域は50Hzまで伸びています。1kHzを基準に-10dBで見ると40Hzまで出ています。良い特性ですね。

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エンクロージャー形状と周波数特性に関するオルソンの研究

上の画像はしばしば、「バッフルステップの研究」として紹介されがちですが、「エッジディフラクションの研究」でもあります。それぞれ似た現象なので混同されがちですが、大雑把に言うなら以下のような感じでしょうか。(もっと簡潔で適切な言い方があればご教授ください)

バッフルステップ:「バッフルの大きさ」と「放射空間が2π空間から4π空間に変わる周波数」の関係

エッジディフラクション:「バッフル角による回折波」と「直接波」の干渉(凹凸)具合

詳しくは私のバイブルでもある「自作スピーカー エンクロージャー設計法 マスターブック」をご参照ください。

NC7kitのエッジディフラクション(青線:音圧、黒線:位相)

VituixCADというソフトは本当にいろんな機能があり、バッフルの形によって周波数特性がどう変化するかをシミュレーションできます。上の画像はNC7kitに振動板直径80mmのユニットを取り付けた際のエッジディフラクションのシミュレーションで、もっと上に示したCHN719をNC7kitに取り付けた特性と比較すると、100Hz~5kHzの変化具合が似ていますよね。若干の誤差はありながらも、実用性充分のシミュレーションがきていると思います。3Dの形状はシミュレーションできませんが、角のR具合による変化を確認することは出来ます。

先に示した画像の補足です。赤丸がエッジディフラクションによる凹凸、緑線との差分がバッフルステップによる損失で、バッフルステップの「放射空間が2π空間から4π空間に変わる周波数」(遷移周波数とでも呼びましょうか)は、4kHz以上の周波数と比べて音圧が-3dBとなっている250Hzと言えそうです。(間違いや補足等ありましたらコメントやメールなどで教えてください)

以下にいろんなバッフル形状のとき特性がどう変化するか、羅列しますのでどうぞ。(音圧は青線です)

①4辺の角をR30mmで落としたもの
②ユニット位置を横にズラしたもの
③バッフル中央に位置したもの
④幅12cm、高さ90cm(ユニット高さ80cm)のトールボーイ
⑤直径10cmの円バッフル
⑥直径30cmの円バッフル
⑦縦横30cmのバッフル中央に位置したもの
⑧縦横30cmのバッフルで、凹凸が小さくなる位置に調整したもの
⑨幅20cm、高さ40cmの三角形バッフル
⑩JIS規格 標準バッフル
⑪JIS規格 標準密閉箱A型
⑫JIS規格 標準密閉箱B型(角:R100mm)

たくさんシミュレーション結果を挙げました。これらの結果から一般家庭に置くような実用的なサイズに共通して言えることは、

「凹凸ができるのは1kHz以上で、1kHzから100Hzにかけて約6dB減少してゆく」

ということです。そして、

「円や正方形などのユニット中心から各辺までの距離が一定の様なバッフルでなければ、それほど大きな凹凸はできない」

ということも分かりました。オルソンの研究ではユニットの直径に対してかなり大きなバッフルを想定しているため大きな凹凸が1kHz以下にもできていますが、現実的にそんなスピーカーはほとんどありませんよね。

バッフル形状についていろいろ述べましたが、個人的な結論としては以下の通りです。

「円や正方形でなければ、そして正確なモニタースピーカーを作る訳でなければ、バッフル形状は気にしても気にしすぎることは無い」

(cannot … too …構文の和訳みたいになってしまいました)バッフル形状による凹凸は、スピーカーを置く位置や、壁や天井からの反射音による干渉、そして部屋における定在波の影響と比べたら些細なものです。あれこれと悩むくらいなら、バッフル形状は見た目と実用性のバランス重視で決めた方が良いかもしれませんね!(あくまでユニット軸上1m地点での周波数特性の話です。点音源とか面音源とか、軸外特性の話まで言及すると面倒なのでこの辺で…)

以上、CHN719の特性とバッフル形状のシミュレーションについて、でした。

2月は中国の旧正月で工場の稼働が止まってしまうので、早く入手したい方は急いでご予約ください!

では、また。

CHN719日本先行発売!

皆さんこんにちは、スガノです。

12月は、大阪の共立電子・東京のコイズミ無線とイベントが2つあり、どちらも多くの方にお越しいただきました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

共立電子のイベントでは、共立プロダクツからアンプやスピーカー、音楽之友社から2023年版スピーカーユニットムック、そして弊社からNature Collectionはじめ多くのスピーカーを紹介させていただきました。

コイズミ無線のイベントでは、前半は2022年版ムックのOM-MF4micaを使用したステレオコンテスト作品の試聴、後半はいつも通り弊社のいろんな機種を紹介させていただきました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

それぞれの発表について触れたい部分がたくさんあるのですが、長くなってしまうので今回はMarkaudioから新登場したCHN719について紹介させていただきます。

http://www.fidelitatem-sound.jp/a_detail%20CHN719.html

詳しくは上記のページに書いてあります。簡単に紹介すると、大ヒット作CHN519の兄貴分です。

ここでは音質のインプレッションなど述べたいと思います。試聴はNC7kitの試作機(容積約10L、ダクト径35mmダクト長8cm)に取り付けて行いました。NC7kitはAlpair7MS等の丸フレームに合うように座繰りを掘っているため、取付にはアダプターが必要です。(今後CHN719用に座繰りを入れたモデルを出すか、従来の座繰りでアダプター付属にするかは未定です。皆さんはどちらが良いと思いますか?)

鳴らしてみると、まず感じたのは「メタルらしくない音がする」という点です。Markaudioのユニットは大半がアルミマグネシウムコーンを採用しており輪郭のハッキリしたシャキッとした音が特徴ですが、CHN719は同じ素材のコーンにも関わらず全体的に「柔和な音」がします。例えるなら、ポリプロピレンコーンのフルレンジに少しだけスーパーツイーターを加えたような音で、クセが無く厚みのある音とサラっとした繊細な表現力が両立しています。

また低域の出方も特徴的で、柔らかく量感がありながらブーミーではない、優しい音です。F0は68Hzと低めで、10cmのフルレンジで70Hzを切っているユニットはなかなかありません。ただダンパーを柔らかくするだけだと「ドロドロ」「ボワボワ」とした低音になりがちですが、片側4.5mmというロングストロークと、ダブルマグネットによる適切な制動でベースの音程を正確に再生しています。

やはりダンパーを柔らかくすると、Alpair7MSのようなダンパーレスの音に近づいていくようです。

上の画像は、VituixCADというソフトでCHN719のTSパラメータを入力したときのシミュレーション特性です。容積8.7L、ダクト径3.5cm、ダクト長8.4cmのときのFbが53Hzとなっており、ほとんどNC7kitと同じエンクロージャーパラメータとなりました。皆様がCHN719で箱を自作する際は、上記のパラメータを参考に各自の好みに合わせて調整していただくと失敗は少ないと思います。

年明けには実際にNC7kitに装着したときの特性を測定して、このブログにアップしたいと思いますのでお楽しみに(?)

では、また。

今週末23日土曜日(13:00~)のコイズミ無線でのイベント内容です。ハイライトはCHN719が初登場

Stereo×Mark Audio試聴会 第二回です。

(1)OM-MF40MICA第二回 コンテスト入賞作品の試聴を行います!

・ 優勝作品「VSOバックロードホーン」、入賞作品「Bullet Speaker」が新しく参加です。


・ 前回11月のコイズミ無線のイベントで一位だった「アルミニウム多面体スピーカー」をはじめ
「スパイラルホーン」「PullPush」もご厚意で展示しますので試聴予定です。

(2) 弊社からは、Solid Dice&Micro NC4各モデルの試聴!!

(3)新発売 CHN719をNC7Kit試聴します。

大ヒット商品「CHN519」の10cmバージョンモデル”CHN719″を来年1月に発売開始になります。

NC7Kitで鳴らします。

(4)NC5H_Mahogany(マホガニー無垢材仕様限定モデル残り4台です)


   そしてNC7v2&NC11v2の試聴を行います!!

ご愛聴のCDを持ってお出かけください。お待ちしてます。

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コイズミ無線で11月18日13:00イベント開催です。パート1:MOOK受賞作品の試聴 パート2:NC5Hマホガニーモデル他

お久しぶりですございます。中島です。

来る11月18日コイズミ無線でイベントを開催します。今回は、2022MOOK(OM-MF4MICA使用)のスピーカー製作コンテスト入賞作品の試聴を2回にわたり開催します。

11月は準優勝作品「komainu」

・ウエイト調整可能な自作パッシブラジエーター2基搭載
・曲げ加工の無垢材バッフル 柔らかな音色とバランスが魅力です

そして「Pull-Push Box」

一見平凡ですが中身は凄い水色の羊の皮を被った狼ですよ。後ろからリジットで音像定位を狙います。

 

入賞作品「release1号」

スパイラルBHマルチダクト仕様です。
                何故こんなに穴があるのか製作者に聞いて見ましょう

「森の囀り」

ちょっとハイ上がりですが、カリンの無垢材を削り出してデッドマスで音楽之友社に
仕事で訪問した時ちょうどY編集長がこの作品を引っ張り出して『この音ハマるんだよね』と聴き入ってました。音色最高です。

以上計4点ですが12月16日予定のモデルも到着した作品は展示できると思います。

 また、東京近郊の作品は作者の皆様から苦労話をお聞きしながら試聴の予定です。

そしてパート2は、10月末に製造完了予定のNC5Hマホガニーを試聴します。

 

下は第2回ロットの時のお客様からのメッセージですが、これぞマホガニーモデルの魅力です。ボールドした部分がとっても大事で、愛聴の音楽を改めて聞けるスピーカーは本当に価値があります。

……ここからがメッセージです……

仕事の関係で本日ようやく音出しが叶いました。

最初はいかにもこじんまりとして窮屈な、上にも下にも伸びのない固いサウンドだったのですが<中略>マイスキーのバッハ無伴奏チェロ組曲、キース・ジャレットのゴルトベルクを通して聴き終わった頃には徐々に本領を発揮しはじめ、まずは一安心です。

今日は数時間程度のブレイクインに過ぎず、ギター、ベース、チェロ、ヴァイオリンといった弦楽器の再現性はこれまで所有してきたどのスピーカーとも違うもので、中島さまの仰る「楽器の音」の片鱗を感じさせます。

もちろん弦楽器専科ということもなく、チェンバロやピアノも好ましく、小口径フルレンジらしくヴォーカルも得意で、オーディオ的な要素のチェックは途中でどうでも良くなり、愛聴盤を取っ替え引っ替えして聴いておりました。本当に雑味のない、純度の高い音ですね。

これからブレイクインが進み、セッティングも詰めていきますので、よりいっそうNC5H Mahoganyのポテンシャルを体感できるかと思うと今からとても楽しみです。

NC5H MahoganyはMinima Vintage以来、掛け値なしにお気に入りのスピーカーになりました。本当に良いものをありがとうございました。大切に愛用させていただきます。

と言う事で皆様時間を作って是非いらしてください。

CHN50Pmica,CHN40Pmica近日発売!

2018年オントモムックとして発売されたOM-MF5から始まり、2019年はOM-MF519、2020年はOM-MF4と3年連続Markaudioユニットを採用したにも関わらず、大好評のムックシリーズ。CHN50、CHN519、CHN40とMarkaudio商品として一般販売された後でも、注文が絶えない人気商品となっております。(CHN50は販売終了)

メタル・メタル・メタル・ペーパー

2022年のOM-MF4micaは、Markaudio初のマイカ混沙ペーパーコーンを搭載したモデルとなり、従来のアルミマグネシウム合金のメタルコーンとは一味違う反応の速さ、艶やかな中高域が魅力的で、ムックの販売が終了した後もユニットは手に入れられないのかと多くのお問い合わせがある大人気商品です。

ついに、近々Markaudio商品として一般販売が決定しました!OM-MF4micaはCHN40Pmicaとして、そしてCHN50のエンジンをベースに、マイカ混沙ペーパーコーンを搭載したCHN50Pmicaが各販売店にて発売されます。

CHN50Pmica
CHN40Pmica

CHN50Pmicaは9月中旬、CHN40Pmicaは11月頃発売予定です。

CHN50Pmicaを搭載したTozziOne
CHN40Pを搭載したmicroNC4(左:スプルース、右:ウォールナット&スプルース)

同じくマイカ混沙ペーパーコーンを搭載したCHP90micaは、NC9kitと共に大ヒットしました。CHN50P/40Pmicaはさらに軽量の振動板を搭載しており、ともに1g台のMmsで極めて立ち上がりの早いスピーディーなサウンドです。弦の擦れる音や、ピアノのタッチの付帯音など非常に繊細な描写ができますので、3~6リットル程度の箱で豊かな低音を出すリスニング用途としても、microNC4などのコンパクトな箱に装着し本格的なBGMスピーカーとしてお使いいただいても、どちらも良さを実感していただけると思います。

近々各販売店にて取り扱いが始まると思いますので、是非ご検討ください!

ラインアレイスピーカー完成!

皆さんこんにちは、スガノです。

MJオーディオフェスティバルにお越しいただいた皆様、灼熱の中わざわざお越しいただきありがとうございました。久しぶりの開催ということで、弊社にはみなさまにお聞かせしたい製品がたまっておりキツキツのスケジュールとなってしまいました。次回はもう少し余裕をもって、みなさまと交流できるような時間も設けたいと思います。

今回は「ユーヴェ工房」代表野上さんと一緒にイベントを行いました。

さて、初めてラインアレイスピーカーの話をブログに上げてから何度朝日を迎えたことでしょうか。MJオーディオフェスティバルでは発表させていただきましたが、やっとラインアレイスピーカーが完成しました。

ラインアレイスピーカーは、ライブ会場や講演会場など大音量で遠くに音を届けるために使われることが多いスピーカーです。縦にユニットを隣接して並べることで線音源となり、上下方向の指向性を狭め天井や床からの反射音を低減したり、通常の点音源のスピーカーと比較して2倍遠くまで音が届くというのがラインアレイのメリットです。また単純に振動板面積が大きくなることで大音量が出せるというメリットもあります。

ヒビノ株式会社HP https://marketing.hibino.co.jp/jblpro/3918.htmlより

一方弊社が考えるラインアレイのメリットは、線音源による映画館のような独特の音場感、また1個1個の振動板が軽く、振幅が減ることによる歪の低減・微細音の再現力にあると考えています。まぁ、これは上で紹介した本来のラインアレイのメリットを違う視点で捉えたようなものですが、あくまで弊社としては大音量でドカーン!という使い方ではなく、マークオーディオユニットの繊細さを大いに活かした使い方だよ、と強調したい所存であります。

縦に長くてすみません

上の画像は以前のコイズミ無線試聴会での写真ですが、この時は箱の補強が弱く、側板がワンワン鳴いていました。それはそれで迫力のある音でしたが、弊社のNature CollectionやNCキットと比較するにはまだ及ばない出来でした。

バイオリンなどの楽器に用いられる、「魂柱」はご存じですか?バイオリンの表板と裏板を繋げる唯一の構造で、表板の響きを裏板に伝えることで豊かな響きをもたらすものです。魂の柱と書くくらいですから、聞いた話では1mm取り付ける位置が違うだけで音がまるで変ってくるそうです。職人の世界は凄いですね。

f字孔から覗く魂柱

楽器の生音再生を大事にする弊社の音作りにおいて、魂柱を使うことでラインアレイの側板を補強しつつ木の響きを持たせようと考え、実行に至りました。

既に板は接着してしまったので、ユニットの取付穴から棒を入れ側板に突っ張るように固定し、手の入らないところはトンカチでコンコンと奥に移動させました。たしかに!コンコンと奥に移動させるにつれて、トンカチから箱に伝わる振動による音が変わっていきます。さすがにミリ単位の調節はできませんが、突っ張る位置によって音が大きく変わりました。最終的に側板の中央より少し前側、正面から13cmほど奥の位置に4本魂柱を固定し、補強作業は終了しました。

側板をノックすると、以前は「コワーン」と響いていた音が「コン」と収束の早い音に変化しています。全面をガチガチに固定しているわけではないので、赤松の軽やかで粘りのある響きを残しつつ引き締まった低域にすることができました。(やっと人前に出しても恥ずかしくないスピーカーになった・・・と妙な親心を感じたりします)

青線:総合周波数特性 オレンジ線:ユニットの特性 灰線:ダクトの特性

上にf特を示しました。このラインアレイを聴いたことがある方は、図の低域の落ち込みに「えっ?」と思うのではないでしょうか。私は思いました。聴感上では十分低域は出ていて50Hzくらいまでフラットに出てるように感じます。

1kHz以上は1m離れた地点で測定しており、高域の干渉シミュレーションとも概ね一致しているので正しい測定になっているはずですが、1kHz以下はニアフィールド測定のデータをソフト上で合成したもの(疑似無響室測定)なので、もしかしたらラインアレイの様にユニットやダクトが数多く隣接しているようなスピーカーでは正しく測定できないのかもしれません。もしくは、測定は正確にできているが、床に近い位置のダクトや縦方向の半波長共鳴が低域の量感や迫力を出しているのかもしれません。

1m地点でのシミュレーション
5m地点でのシミュレーション

あくまでVituixCAD2というソフトでのシミュレーションですが、5m離れたところで聴けば20kHz以下において高域の干渉による大きな凹凸は無くなります。「ラインアレイを聴くときは部屋を明るくして離れて聴いてね」ということでした。

以上、ラインアレイ開発記をお送りしました。商品化は未定ですが、もしラインアレイを作りたいと少しでも思ったなら是非やってみてください。一般的な家庭の広さなら4発縦に並べただけでも充分ラインアレイの効果を実感できますし、やはりラインアレイにしか出せない音が確かにあります。

では、また。

飯田有抄さんとYou Tube!MicroNC4

7月16日のMJオーディオフェスティバル2023では沢山の皆様にご来場頂き本当にありがとうございました。
灼熱の体温越えの悪天候にも負けず16:30頃までずっと立ち見がでるほどの盛況でした。

ところで、過日撮影した飯田有紗さんとの動画がアップされました。私が良い音ですよって言うと何だかバイアスがかかってるなと疑われますが、有紗さんが『本当に良い音』って言ってくれると真実味があっていいですね!

イベントでも力説しましたが、この動画で伝えたい小宇宙のサウンドは生活の中で聴くにはベスト。仕事を、家事をしながら押しつけがましいオーディオは向きません。その意味ではこのサイズが本当にフィットしますし。リビングをオーディオルームにしてしまうような真似はせず、Wife Acceptance Factorバッチリですよね。

本気オーディオとは別にご検討ください。可愛い娘さんに『パパ!いい音!やばい何これ!』って言われたら嬉しいでしょ。

イベント・来客を終えての感想

みなさんこんにちは、スガノです。

6/25のイベントにお越し下さったみなさん、ありがとうござました。その前のイベントでは雨のせいで少人数でしたが、今回は裏でOTOTENがあったにも関わらず累計20人ほどのお客様に足を運んでいただけました。むしろOTOTENくらいの大きなイベントがある日にあやかって開催した方が、ついでに来てくれる方も多いのでは?などと社長と話していました。

今回はベージュのスピーカーが多め

今回のイベントではNC7kit、NC10オークバーチVer試作モデルを目玉として出しました。NC10試作モデルはまだ開発段階ながら十分バランスの取れている音でしたが、MAOP10の実力を考えるともう少し低域を伸ばせるかな~と課題点が見えました。一方NC7kitは良い鳴りっぷりで、特にAlpair7MSを取り付けたときの繊細さ・抑揚加減がピカイチに発揮されていました。

Markaudioの10cmユニットを試聴会で鳴らすとなると、どうしてもMAOP7になってしまいます。特に最近はNC7v2が大人気だったので、これまでAlpair7MSの良さを十分にお伝えできていなかったかもしれません。

柔和な赤松の木目に、ネガティブキャンバーコーンが光ります。

試聴会では最初Pluvia7HDをNC7kitに装着して鳴らしていましたが、途中でAlpair7MSに変えるとお客様のリアクションがまるで変りました。私はスピーカーの裏で聴いていましたが、それでも分かるのは7MSの静寂感です。ディスプレイ業界では「黒の表現は液晶よりプラズマ!」なんて言ったりしますが、ダンパーありとダンパーなしの違いはそれと似ていると思います。陳腐な表現をするなら、HDR(ハイダイナミックレンジ)という感じですね。

ダンパーもなければ磁性流体もない、そんなフルレンジスピーカーがこの世にいくつあるでしょうか。

ダンパーが無いことにより、ボイスコイルからの振動が振動板にダイレクトに伝わり、微細な振動のニュアンスをスポイルしません。またダンパーからの2次放射もないため、音像の定位と音場の広がり感も向上します。一番分かりやすいのは広い会場で録音されたクラシックの残響音でしょうか。楽器や拍手の立ち上がりの早さ、そして消えゆく音の存在感、是非一度聴いていただきたいです。

比較として出した以上、Pluvia7HDが良くないユニットと伝わってしまわないか不安ですが、どちらも優秀なユニットですよ!ただMarkaudioの神髄であるダンパーレスの良さを、皆さんに今一度伝えたいと思った所存です。

イベントの翌日には2名の来客がありました。どちらも長年Markaudioのファンとして付き合いのある方で、今回は自作したスピーカーを聴かせていただけるとのことでした。

NC9kitをトールボーイに改造!これぞ自作の楽しみですよね。

一通り弊社のスピーカーを聴いていただいた後、Aさん自作のスピーカーが運び込まれてきました。一目見て思わず「ウホッ」とエネゴリ君のような鳴き声を発してしまうくらい、自作人間に刺さるものでした。なぜなら私が丹精込めて製造したNC9kitが、何cmも成長して帰ってきたのですから。

Aさん曰く、NC9kitの底板に穴を開けその下に箱を延長できるようにしたそうです。私も大学生の頃同じような機構を作ったことがありますが、ここまでの大きさとなると脱帽です。音はその大きさのとおりゆったり雄大で、上の2つのポートを塞ぐとズシッと重心の低いダブルバスレフにもなります。箱の構造を切り替えて聴けるというのはなかなか自作でないとできないことです。密閉型やバックロードなどもっとバリエーションがあるようですが、当日は全部聞くことはできませんでした。ここまでNC9kitを活用していただけたら製造者冥利に尽きます!そして自作スピーカーに明け暮れていたころのマインドを呼び覚ましてくれたような気もします。

もし他の製品でもこんな活用してるよ!という方がいましたらメールでお知らせください。励みになります。

写真では暗く映ってしまっている真ん中のバックロードも聞かせていただきました。私はバックロードの音はあまり好きじゃないというか、嫌いではないにしろ3ペア普通のスピーカーを持っていたら次の1ペアはバックロード、くらいの割合でいいなぁと思う人間なのですが、Aさんのバックロードはとても良く聞こえました。

長岡鉄男さんのD-1をコンパクトにした内部構造らしく、音道が短いせいかホーン臭さがあまりありません。インピーダンス特性を測ってみたらほとんどダブルバスレフのような特性だったので、もしかしたらバックロードというよりはバスレフ的な共鳴が多かったのかなと感じました。いやぁ、こうしていろいろなタイプのスピーカーが聴けるのは幸せですし、何より勉強になります。

コイズミ無線さんではNC7kitの取り扱いを開始しております。(以下販売ページURL)

https://shop.koizumi-musen.com/?pid=175378247

NC9kit同様、凹凸加工が施してあり初心者から玄人まで、高精度で高強度な箱が作れます。前回のイベントから1週間足らずで第1ロットが売り切れてしまったとのことなので、7月中旬までに増産しておきます。ぜひお買い求めください!

ではまた。