Markaudioで2way!

みなさんこんにちは、スガノです。

長きにわたる長野での戦いが終わり千葉に凱旋したので、またぼちぼちブログを更新していく所存です。

今回は、以前ちらっと紹介させていただいたMarkaudioのCHBW70とTW4Sを使った自作2wayスピーカーを題材に、フルレンジとマルチウェイの違いについて書きたいと思います。

これがその2wayスピーカー。名前はCHARCOAL。

Markaudio、そして弊社FidelitatemSoundと言えばフルレンジスピーカーという印象があると思います。自作スピーカーはフルレンジに始まりフルレンジに終わるという格言(?)を聴いたことがありますが、私も最初に自作したスピーカーはフルレンジスピーカーでした。(たしか秋葉原で売ってた400円くらいの激安ユニット。音はそこそこ良かった気がする。)

自作を始めた頃にいくつかのフルレンジスピーカーを交換しては楽しんでいたのですが、ある日オントモムックとして発売されたOM-MF5を聴いて、フルレンジに対する印象が変わりました。

『なんだ、このクセのないフルレンジは!?』

私のフルレンジ観を一変したOM-MF5

フルレンジは良くも悪くも「クセ」が生じます。コーン材質による音色の変化、分割振動による中高域の暴れ、低音が出ないor出すぎる、etc…と、それらの要素がフルレンジの「個性」を作っており、「良い音で聴く」というよりかは「好みの音を見つける」という認識でした。(決して他メーカーのフルレンジを揶揄する気はありません。)

OM-MF5を聴いて、まるでモニタースピーカーのような色付けの無さ、低域から高域までの繋がりの良さ、それでいて一回り大きいユニットに負けない低音の量感、単純に「良い!」と思いました(語彙力)。

そこからいろいろなスピーカーを聴いて耳が鍛えられたのか、Markaudioのユニットでもクセが無いわけではないことが分かってきたとき、「Markaudioのユニットで2wayを作ったらかなりクセの無い音が出るのでは?」と思い、冒頭のスピーカーを作ることになりました。せっかく弊社で取り扱っている2way用ユニット(CHBW70・TW4S)があるのに、作らないのはもったいないですよね。

そんな中でも本当にクセを感じないMAOP5(唐突)

皆さんもご存じと思いますが、マルチウェイスピーカーは各ユニットの「オイシイ」ところを、コイルやコンデンサなどの素子でうまく抽出し、それらを組み合わせて全帯域が「オイシイ」音にすることができます。

この「オイシイ」ところとは、簡単に言えば「特性が平坦で歪の小さい領域」です。ウーファーは高域の分割振動領域、ツィーターは中域の最低共振周波数付近で歪が増えてしまうので、そこを鳴らさないようにネットワークを組んで最終的に全帯域が低歪のスピーカーとなります。

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ここでMarkaudioの2wayユニットであるCHBW70とTW4Sの周波数特性を見てみましょう。

CHBW70の周波数特性
TW4Sの周波数特性

CHBW70の特性を見ると、3k~5kHzにかけてコーンの共振(BreakUp)があり、それより上はガクンと音圧が落ちています。

一方TW4Sの特性を見ると、2k~3kHzにかけて最低共振による音圧の上昇がみられ、2kHz以下は音圧が低下しています。

これらの特性から、ウーファーとツィーターのクロスポイントは3k~4kHzが良いように思いました。しかしこの特性はあくまで「無限大バッフル」に取り付けたときの特性に過ぎず、実際のエンクロージャーに取り付けたときはその箱の形状によって回折や干渉が生じるためこの特性からは少し変わってきます。では、実際に箱に取り付けた状態で特性を測定してみましょう。(容積10L、ダクトΦ35mm長さ8cm)

箱に取り付けた際のCHBW70周波数特性
箱に取り付けた際のTW4S周波数特性

どちらも大まかには無響室での無限大バッフル特性と似ていますが、CHBW70の方は3.5kHzにディップがあり、TW4Sの方はむしろ凹凸の少ないキレイな特性になっています。(ちなみにこの測定は「疑似無響室測定」という方法で部屋の反射波の影響を排除し、無響室で取った特性に近いデータを測定できます。測定ポイントはタイムアライメントを考慮し、ウーファー軸上1mとしています。)

これらのデータを元に、シミュレーターで素子の値をいろいろ調整したところ・・・

ネットワークを取り付けた完成品の周波数特性

上のような特性になりました(実測)。550Hz付近と1.5kHz付近、8kHz付近のディップが気になりますが、それを含めても45Hz~20kHzで±2.5dBの範囲に収まっています。低域は-10dBで見れば35Hzまで出ています。なかなかフラットな特性ですよね。クロスポイントは3.5kHzになりました。

ちなみにネットワークは以下の図の通りです。

電気的にはツィーターが-18dB/octの3次フィルター、ウーファーが-12dB/octの2次フィルターですが、音圧のスロープで見るとどちらも-24dB/octで減衰する4th Linkwitz-Rileyフィルターになっています。急峻にカットしながらもクロスポイントの位相を揃えることで、繋がりの良い音質になります。

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早速アンプにつないで音を出してみると、

『クセが無い!』

クセが全く感じられません。非常にマイルドで、低音から高音まで滑らかな音質です。

上手くいったなぁ~と思いながら弊社試聴室で音楽を聴いていると、社長が入ってきて一言

「細かい音が全然出てないよ」と。なんてことを…

確かに、良く言えば「粗が取れた」、悪く言えば「新鮮さが無くなった」ような音でした。

Markaudioのユニットは非常に微細な音まで再現できるので、それと比較すると「細かい音」はフルレンジ1発の方が良く出ているし、聴いていて「楽しい」と思える音です。2wayの方はクセが無い分、音楽の「抑揚」とか「雰囲気」みたいなものも無くなっている気がしました。

しばらくして社長は「バランス感はすごく良いし、聴いていて疲れない音だね」とフォロー(?)してくれました。今回は「クセの無い音」を目指して作りましたが、その点では社長も良さを理解してくれたようで今回の2wayプロジェクトは成功と言えると思います。

マルチウェイスピーカーは全体の周波数特性をフラットにできる分、コイルやコンデンサなどの素子を使うため、フルレンジに比べて位相特性が乱れます(位相回転)。時間軸でみても、ステップ波形を入力したときの過渡応答はフルレンジに比べて悪化します。社長はじめ生楽器を演奏していた人たちは、位相や時間軸のズレに敏感なようです。

マークフェンロンに言わせると、こういう地味な音は「メインストリートサウンド」だそうです。つまりは無個性ということですよね笑

無個性すなわちオールマイト?

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Markaudioのユニットで2wayスピーカーを作って感じたことは、「フルレンジ」と「マルチウェイ」は「優劣」ではなく「対比」の関係にあるということです。

フルレンジ:多少周波数特性が乱れても、時間軸や位相特性含め素子を通さないことによる音の新鮮さがメリット

マルチウェイ:鮮度が犠牲になるが、周波数特性のフラットさ・低歪がメリット

Markaudioのユニットは使い方でガラリと音が変わるので、図に表すならこんな感じでしょうか。。(あくまで個人の感想ですので、異論はどしどし受け付けます。)

あえて「感性」と「理性」という対比の言葉を使いましたが、ちょうど良い言葉があれば教えてください。

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弊社では楽器に使われる無垢の木材を使用したエンクロージャーとMarkaudioのフルレンジユニットを組み合わせて、新鮮で繊細な、楽器の響きが豊かなスピーカーNature Collectionシリーズを販売しています。

大人気で初回ロットがすぐ完売したNC7v2。現在第2ロット製造中です。

このブログを読んでくれている方々は一度は聞いたことがあるのではと思いますが、そういったフルレンジ愛好家にあえて提案させてください。

「Markaudioユニットで2wayを作ってみませんか?」

現在コイズミ無線でMarkaudioユニットのセールが行われています。(リンクはこちら

もちろん今回の2wayに使用したCHBW70,TW4Sも対象ですので、この機会にフルレンジとは異なるマルチウェイの音を作ってみませんか?もちろんネットワーク素子もコイズミ無線で購入できます!(こちら

ブラックフェイスでカッコいい!

エンクロージャーの形状は多少異なっても、容積10LでダクトはSTBP35を8cm、ユニットをなるべく近接して配置し、同じ定数の素子を使えばほとんど同じような特性になると思います。ツィーターの抵抗2つを無くすとクロスポイントの平坦性は保ったまま10kHz以上が5dBほど上昇するので、スピーカーの真正面で聴かない方には聴きやすい音になるかもしれません。

2wayユニットであっても、Markaudioユニットの特徴であるライトウェイト・ハイコンプライアンス・ロングストロークは健在ですので、きっと満足いただける音になると思います。

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今回は珍しくマルチウェイを取り上げましたが、次回はお待ちかねラインアレイスピーカーについてになると思います。やっとプロトタイプが完成したので、データをまとめ次第いろいろ書きたいと思います。

では、また。

CHR120の魅力

皆さんこんにちは、スガノです。私が長野にいるときは余裕が無くブログの更新ができていないので、こうして千葉に戻ってきたときに頻繁に更新しているような今日この頃です。暫しお付き合いください。

CHR120の発売からどれくらい経ったでしょうか。1年半~2年くらいでしょうか。時の流れは早いですね。。

発売当初、ミズナラ材のトールボーイエンクロージャーにCHR120を装着して聴いた音には度肝を抜かれたことを覚えています。

一般的に16cm口径と呼ばれるサイズ辺りから、10kHz以上の高域を出すことが難しくなります。多くのメーカーはラッパ形状のサブコーンによる振動で高域を伸ばすか、高域は諦めてスーパーツィーターと一緒に鳴らす前提?の特性にしたりしています。

一方Markaudioの凄いところは、16cm口径より一回り大きい18cm口径でありながら、本来のドーム形状を維持したまま20kHzまで高域を伸ばしていることです。しかも30Hzを鳴らせるポテンシャルを持ち合わせているなんて、信じられませんよね。

1個のユニットなのに、沈み込む低域から突き抜ける高域までしっかり出ていて、「あぁ、これがまさに『フル』レンジ」なんだなと感じました。

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ある日、お客様(以下、N様)から「CHR120用に使う密閉箱の推奨容積を教えていただきたい」とお問い合わせがありました。

詳しく聴くと、40年前のVictorの箱にCHR120を取り付けたいが、そのままでチューニングが合うのか不明なので、ダメなら密閉箱として使いたい、とのことでした。

Victor箱の容積が約50L,共振周波数が29Hzあたりだということで、それに合わせてCHR120を取り付けたときの周波数特性をVituixCAD2というソフトでシミュレーションしてみたところ・・・

CHR120バスレフ箱シミュレーション

f6(音圧が6dB減少している周波数)が28Hzと、十分に伸びた低域になっています。改めてスゴイ能力…(バッフルステップ損失は加味していません)

バスレフポートを塞いで密閉箱としたときの特性も出してみました。

CHR120密閉箱シミュレーション

こちらはf6=64Hzと、いかにも密閉型というダラ下がりの特性が出ました。バスレフ型と比べると低音は減っていますが、位相特性(薄いグレーの線)を比べると密閉型の方が位相の変化が少なく引き締まった低音が期待できます。

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Qtcというパラメータをご存じでしょうか?これは密閉型エンクロージャーにおけるシステムの「共振先鋭度」で、低域の音圧と制動に関わる値です。

以下のように、Qtc=0.5を境に制動具合が変化します。

●0.5より大きいとき:音圧を稼ぎやすいが「制動不足」の状態

●0.5のとき:「臨界制動」という過渡応答が一番良い状態(立ち上がり・立下りが最速)

●0.5より小さいとき:「過制動」という、振動板が動きづらく音圧も出しづらい状態

50Lの密閉型エンクロージャーにCHR120を取り付けたときのQtcは0.55で、過渡応答が比較的良い状態にあるといえます。これは試してみる価値がありますね。

上で紹介したミズナラ箱で聴いたとき、ふとバスレフポートを塞いでみたところ締まりのある低音になり個人的には好みの音でした。あのときのQtcはいくらだったんでしょうか。

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少々脱線しましたが、このような感じですとN様にお伝えしたところ、喜んでいただけたようで「そのまま取り付けても問題なさそうなので、バッフル板を加工してくれる業者を探します」とのことでした。

それから1か月ほどたった頃、ついに完成したとN様より連絡をいただきました。そのレビューを一部紹介させていただきます。(許可を得て公開しています)

「結論から言うと、驚きの低音と艶のある管の音に大変満足です。 10代からのJazzファンでJazz喫茶に通っていた世代なので、低音の迫力と管の音にはこだわりがあります。学生時代に社会人の方の家で聴いたLE8Tの音を追いかけてきましたのでCHR120のキラキラ系の管の音はドンピシャです。
驚いたのは低音です。雑誌やネットの紹介記事等を読んではいましたが、正直この大きさのフルレンジでそこまで期待はしていませんでした。バスレフポートはオリジナルのままでなんと35Hzから再生しています。でも、驚きは密閉箱の方です。バスレフポートをスポンジで塞いでもバスレフの時より音圧は下がるものの35Hz辺りからきちんと再生できているので、サブウーファーは使わず、アンプ(Marantz M-CR612)のイコライザで持ち上げてみました。結局100Hz以下を+8dBに設定しましたが、上質でキレの良い低音が出ています。おそらく、100Hz以下では歪率もそれなりに大きいだろうとは思いますが、色々な曲を聴いてみましたが、聴感上はなんの不満もありませんし、バスレフよりこちらの方が好みです。そう言うわけで、多分密閉箱をメインで聴くことになりそうです。」

いや~嬉しいですね、こういったご感想をいただけて。さらに嬉しいことに、測定データまでいただきました。

バスレフ型の周波数特性
密閉型の周波数特性

定在波の影響で凹凸がありますが、良い特性であろうことが伺えます。低域をブーストしても破綻なくドライブできるのは、往復18mmというXmaxとハイコンプライアンスで動きの良い振動系のおかげでしょう。さすがMarkaudio。

さらにN様から

「私の最初のスピーカーはダイヤトーンのP610Bの自作でしたし、昔聴いたLE8Tの音が忘れられない体験としてありフルレンジの音は大好きでしたが、それ以来自作をする余裕がなかったことと、フルレンジだけでは低音が出ないということがあり、2wayや3wayの既製品を愛用してきました。私のここ数年のメインシステムはQ acousticsのConcept20+KEFのKube10(密閉型サブウーファー)で100Hzでクロスして使っています。Concept20は箱の内側にゲルを使って箱の共振を抑えるというのがウリで、この音には大変満足しています。このシステムにした時にサブウーファーの使い勝手の良さがわかり、もし最悪フルレンジで低音が出ない場合はこれで補えると思えたことと、リタイヤして時間的余裕のある境遇にあることがもう一度フルレンジを聴いてみようと思った経緯です。フルレンジの良さはやはり一つでフルレンジをカバーする繋がりの良さだと思うので、その後はきちんと低音が出せるフルレンジを色々探して、ようやく見つけたのがCHR120です。結果は期待を遥かに上回る最高の音でした。これからは間違いなくこれが私のメインシステムです。」

と、大変ありがたいお言葉を頂きました。ご満足されたようで、私も嬉しい限りです。

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EBP=Efficiency Bandwidth Product:能率帯域幅積という指標があります。これは、あるユニットの適正箱が密閉型かバスレフ型かの判別に用いられ、「fs:最低共振周波数」÷「Qes:電気的共振先鋭度」で求められます。その値が0~50なら密閉型推奨、50~100ならどちらも可能、100~150ならバスレフ型推奨というように判別できます。

Markaudioのユニットをこの指標に当てはめると、ほとんどのユニットが100を超えておりバスレフ型が適しているということが分かります。

一方CHR120は、EBPが77とバスレフ型・密閉型どちらも使えるような設計になっており、Markaudioの中では珍しい特徴となっています。Alpair12PWもEBPが71と、どらかというと密閉型の方が向いているようなユニットです。

EBPは経験的な指標ですのであくまでも目安でしかありませんが、N様が最終的に密閉型を選択されたということはCHR120が密閉型でも上手く機能することのエビデンスになりますね。

バスレフ型のズドンとした迫力のある低域も良いですが、バシッと芯のある密閉型の低域も魅力的です。密閉型で(もちろんバスレフ型でも)質の高いシステムを自作したい方は、是非CHR120のご使用を検討ください!

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QtcやEBP、ほかエンクロージャー設計について詳しく知りたい方は、

自作スピーカーエンクロージャー設計法マスターブック」をお読みください。

私のバイブルでもあり、世界標準のエンクロージャー設計法が分かりやすく説明されている良本です。

販売ページはこちら(コイズミ無線リンク)

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以前の投稿で、OM-MF4Mica or CHN40を複数使用したラインアレイスピーカーを試作しているとお伝えしましたが、実はAlpair12PW or CHR120を使用したエンクロージャーの試作も同時に進めています。

ラインアレイだけでは低域が不足しそうなので、この箱をサブウーファーとしても使えるような感じにしようと思っています。が、サブウーファーのチューニングは一筋縄ではいかないことが多いのでどうなるか分かりません。。

サブウーファーとしては上手くいかなかったとしても、単純にAlpair12PやCHR120のフルレンジとしての良さを引き出せるような設計にはしてあるので、とりあえず作ってみたいと思います。

では、また。

試聴会@コイズミ無線10/8

みなさんこんにちは、スガノです。

コイズミ無線にて、試聴会を行いました。

今回の内容は、①Micro NC4 ②NC5Hウォールナット 

③NC7Wウォールナット、NC7kit試作品(赤松集成材) 

④NC11ウォールナット

これらを使いながら、録音の違いをエンジニアに注目して聴いてみるという内容でした。

Sreteo付録 OM-MF4Micaの説明をする社長中島

音楽について私は深く知らないので、ここではエンジニアによる録音の違い云々に言及しません。(というかできません)

それでも弊社試聴室で社長に何回も音源を聴かされているので、なんとなくの違いは分かる気がしました。

イベントの最後、参加者の皆様に「どのエンジニアの音が好きでしたか?」と質問をしたのですが、思いのほか反応が良くありませんでした。

まぁ、普段から録音エンジニアを気にしながら音楽を聴く人はごく少数でしょうから、いきなりイベントで聴かされても…という感じになりますよね。。。

CDジャケットの写真を撮るお客様

弊社試聴室には度々お客様がいらっしゃるのですが、そのたびに知らない音源を聴くので新たな発見があります。

もしお勧めの録音エンジニアやCD音源がありましたら、次回イベントの際に持ってきていただけたら幸いです。

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さて今回はNC7kitについて少し触れたいと思います。

NC7kit プロトタイプ (写真はPluvia7HD装着バージョン)

イベントではAlpair7MSを装着して皆様に聴いていただきました。

実はAlpair7MSは一時期ある理由で製造できない状況にあり、数か月間在庫がない状態でした。

製造が再開したのは約1か月前のことです。

ちょうどそのタイミングに合わせてNC7kitの試作品が出来たので、早速Alpair7MSを装着して音を鳴らしてみました。

モノサスペンションの反応の良さ、平面に近いネガティブキャンバーコーンによる広がりのある音、それでいて深く沈み込む密度のある低音、Markaudioサウンドここにあり!といったところです。

ダンパーが無いのにXmax:9mm(p-p)のダイナミックな振動板の動きを実現できるユニットは他にありませんよね。

MAOP7を搭載したNC7v2ウォールナットと比べてしまうと及ばない点は多々ありますが、このNC7kitの赤松の軽快かつ粘りのある響きも魅力的で、Alpair7MSやPluvia7HDを上手く鳴らすのにはピッタリの箱だと思います。

まだキットの発売時期は未定ですが、大人気のNC9kit同様リーズナブルに良い音を鳴らしてくれるNC7kit、乞うご期待ください!

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また、現在コイズミ無線さまにてMarkaudioユニットの一部商品が特別価格にて販売中です。

↓販売ページ

https://www.koizumi-musen.com/fea/221001_mark/221001_mark_1.php

10/31までの期間限定ですので、この機会にぜひお買い求めください!

それでは、また。

長野県でイベントに出展してきました

みなさんこんにちは、スガノです。

弊社フィディリティムサウンドは今年4月から長野県朝日村に工場を構え、

NC9kitやLuxmanアンプキットシリーズのあられ組みケースなど製造しています。

私スガノがたまに行ってはガリガリ木を削り、はたまた心身を削り作業しているのですが、

朝日村には我々木工大好き人間のオアシスがありました。

それが「朝日村クラフト体験館」です。

休みの日に個人的に利用し、自作スピーカーなどの弊社工場ではできない加工などをしているのですが、

そこには「友の会」という木工を趣味としているご尊老たちの集まりがあります。

私が訪れると優しく迎えてくださり、木工に関するいろいろなことを教えていただきました。

いつの日か私が作ったスピーカーを持っていき鳴らしていたところ、「良い音だ」「自分で作れるのか」

「私も作ってみたい」と職人魂に火をつけてしまったようで、CHN40やCHR70などを購入していただき

今現在スピーカー製作に取り組んでいらっしゃるところと思います。

完成したらみんなのスピーカーを並べて試聴会を開いてみたいですね!

自作スピーカー① MAOP5を使用 木材はスプルース
自作スピーカー② TW4S,CHBW70を使用 木材は桧とMDF
試聴会のようす

まぁそんなこんなで仲良くさせていただいているのですが、その流れで友の会の方が毎年出展している

「クラフト体験館まつり」に出展してみないか、とお声をかけていただきました。

友の会の方の展示ブースの一部をお借りして、私個人のスピーカーの展示と、弊社フィディリティムサウンドの

スピーカーを展示させていただき、おおよそ50人ほどの方が足を止めて試聴されていました。

友の会 展示ブース
Fidelitatem Sound 展示ブース
個人作品 展示ブース

意外だったことは、来場者の方が注目するスピーカーはほとんど小さいものばかりで、

大きなスピーカーにはあまり興味を示さなかったことです。

特にCHN40やOM-MF4Micaが搭載可能なmicro NC4を鳴らしていると、

「こんなに小さいのにこんなに良い音がするのか!」とみなさん驚いてらっしゃいました。

我々オーディオマニアからすると、大きなスピーカーの方が音が良いのはあたりまえで、

いつか家で鳴らしてみたいなぁと試聴しながら思いを馳せるのが慣例(?)ですが、

一般人(特に女性)の方からすると、そもそも大きなスピーカーは眼中にないようでした。

「かわいらしさ」が体現したmicro NC4

「クラフト体験館まつり」では様々な方にお越しいただき、お子さんからお年寄りまで幅広い年代の方の意見を聴くことができました。

朝日村の村長・副村長にも顔を出していただき、弊社の活動を知っていただくことができました。

素晴らしい機会を提供していただいた朝日村関係者・友の会の皆さんにはこの場をお借りして感謝申し上げます。

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前の投稿で社長が「WAF」=「女性(妻)受容係数」について触れていましたが、

これからは無骨で大きなスピーカーだけでなく、女性にも受け入れられるような

「かわいらしさ」をもったスピーカーも出していかないといけませんね。

かわいいだけじゃなく、本格的な音がします

皆さんはStereo誌付録のOM-MF4Micaの音はもう聴かれましたか?

メタルコーンのCHN40も良い音ですが、マイカ混紡ペーパーコーンのOM-MF4Micaは

立ち上がりの早さと浸透力の高さが特徴です。適切に設計すれば60Hzの再生も可能です。(6cmスピーカーですよ??)

皆さんもOM-MF4Micaを使って、WAFの高いスピーカーを作ってみませんか?

スプルース無垢材を使用したかわいらしいMicro NC4のご購入もご検討ください!

(ラインアレイスピーカーは鋭意製作中です。。もうしばらくお待ちください。。。)

それでは、また。

10月8日(土)午後コイズミ無線でのイベント

最近はCDのレコーディングエンジニアを確認し、気に入った録音に出会うとエンジニアのディスコグラフィを確認してその生い立ちとかどういったミュージシャンを取り扱っているのかを確認したりします。

原音に忠実にとは言え録音にはどうしても何らかの処理は必要となります。選ぶマイクの種類から、年代による録音装置の違いエンジニアの経験や音楽に対する理解が我々の音楽鑑賞に大きく影響していますから、もう少し勉強しようかなと思っています。今回のイベントでは、NC7を使用してアルシュミット、ジムアンダーソンの聴き比べをメインに大御所ルディバンゲルダ―さんも聞いて見たいと思います。是非ご参集ください。

ところで先週末松本の加工センターからMicro NC4を持ち帰りました。

写真はCNCカットが終わってバッフル板を接着している写真です。
スピーカー作りのノウハウは接着時にがっちり播金で締め上げます。

DSC_0021_TEMP

浅村さん推薦のオイルを塗布し乾燥させています。木口が本当に美しいですね。

ヨーロッパではWife Acceptance Factor と言うのがあるそうでDr.Scottの設計はWAFが低いとオランダのディーラーに言われていました。この写真のオーディオ装置がリビングにあれば素敵でしょ!奥様も『あっ、可愛い』と言って頂けると思って設計しました。

また、今回のイベントでは、NC9の製造に使用した赤松の集成材の端材や
テストでカットしたフロントバッフルをご来場の皆さんに安価でご提供
します。写真は先週末松本からの帰りに私が適当に積んできた端材です。菅野君は6日にまた別に
持ってきますのでご興味のある方は、小銭をお持ち下さい。

DSC_0033_TEMP

バッフルの落とし込み加工は大変ですのでコストセーブを心がける自作派の方には良いかもしれません。

床置きスピーカーdeバッフル効果

みなさんこんにちは、スガノです。

前回の瓶スピーカーの記事はご覧になりましたか?もう作ってしまったという方は、その行動力を少し私に分けていただけると助かります。。

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こちらは以前の試聴会で紹介した、床置きスピーカー(ユニットはAlpair5v3)です。2L弱の小ぶりな箱ながら、厚みのある音に驚いた方もいるのではないしょうか。

さて、「なんで床に置く必要があるの?」という疑問が出ると思いますが、簡単に言うと「中低域の厚みを出すため」です。

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ご存じの通り、スピーカーには指向性があり、高域ほど鋭く前方に強く音波を放射し、低域ほど前にも後ろにも満遍なく音波を放射します。

スピーカーの指向性は、振動板の直径や形状・バッフル板のサイズなどによって変わるので様々ですが、通常のブックシェルフサイズのスピーカーであれば、(極端にいうと)約1kHzまではスピーカーの前後(4π空間)に音を放射し、それより上では指向性が狭まり前方のみ(2π空間)に音を放射するのが一般的です。

つまり、ユニット単体の周波数特性がフラットだったとしても、それをエンクロージャーに取り付けたとき、1kHz以下の周波数の音圧は高域の音圧に比べて徐々に目減りしていき、100Hz以下では6dB減少します。これを「バッフルステップ」と呼びます。

オルソンの実験として有名な実験結果がありますが、これは上記の指向性の変化による「バッフルステップ」と、バッフルの角や形状による回折波干渉の「エッジディフラクション」の両方の影響をを示しています。

オルソンの実験結果

この「バッフルステップ」と「エッジディフラクション」は混同されて使用されている場合が多いと感じますが、

実は別々の現象です。詳しくは「自作スピーカー エンクロージャー設計法 マスターブック」をご参照ください。

(自作スピーカー マスターブック 公式HPはこちら

Tozzi One バッフルステップ・エッジディフラクションのシミュレーション結果

上記の画像は、Tozzi Oneのバッフル形状による影響を簡易的にシミュレーションしたものです。(VituixCAD2というソフトを使用しています)

あくまでシミュレーションなので推測でしかありませんが、Tozzi Oneの妙にハリがある明るい音質は、この1k~2kHzにかけての音圧の盛り上がりが一因となっているのかもしれませんね。

この結果からも、1kHzから音圧が減少し、100Hz以下の周波数が高域に比べて6dBほど減少しているのが分かると思います。

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ここまで解説した理論は、4π空間(無響室や、壁や床・天井から十分に離れた空間)の場合の理論です。

それが2π空間になると、事態は一変します。

商業施設などにある天井スピーカーを想像するとわかりやすいと思いますが、ユニットが天井や壁に埋め込まれたときに壁は無限大バッフルとして機能します。

2π空間ではスピーカーの前方にしか音波は広がらないので、バッフルステップはおきませんしバッフルの角もないのでエッジディフラクションもなくなります。

つまり中低域の音圧が減少することもないし、周波数特性の乱れも最小にすることができるということです。

繰り返しになりますが、「なんで床に置くの?」という疑問に対しての回答は、「中低域の音圧減少を防ぐため」になります。(天井や床がベターかもしれませんが、設置が難しいという現実的な問題があります)

床に置いた時と床から離した時の特性の比較

上の画像を見ると、2π空間の特性と4π空間の特性が一目瞭然です。床に埋め込んでいる訳ではないので完全な無限大バッフルではありませんが、それでも中低域の音圧の減少が無いことが分かります。

1kHzの音圧を基準にして-6dBとなる周波数を見ると、床置きは45Hz、バッフル効果なしでは65Hzです。低域における20Hzの差は皆さんもよく理解していると思いますが、バッフル効果だけでここまで変わるとは意外ですよね。

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ちょっと話は変わりますが、ユニットを上向きに設置したことでAlpair5v3のモノサスペンションの効果が最大限発揮されているように思われます。

通常、スピーカーユニットは振動系を「エッジ」「ダンパー」の2つで支えています。しかしAlpair5v3は信号への反応を極限まで高めるために、ダンパーを使用しておらず、フロントのゴムエッジだけで振動系を保持しています。

ダンパーのないユニットを横向き(通常の向き)で使用した場合、振動板やボイスコイルの重さで振動系の位置が本来の位置から横にズレてしまい、歪やノイズなどを発生してしまいます。もちろんMarkaudioのユニットはそれが起きないように設計されており、製造の際も誤差が出ないように精度よく組み立てられているため通常の使い方では問題になることはありませんが、重力の影響を完全にゼロにできているわけではありません。

この床置きスピーカーの様にユニットを上向きに取り付けた場合は、重力によって振動系の位置が横にズレることはないので、モノサスペンションによる微細信号の再現性とリニアリティの高さが十二分に発揮されるのです。

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ここまで偉そうに理論を語ってきましたが、肝心の音はどうなんだというと、非常に厚みのある濃密な音がします。

重心が低く、繊細な音と腰の据わった音が部屋全体に広がり、なんだかライブ会場で聴いているような雰囲気が漂います。Markaudioのユニットは全体的にコーンが浅く、特にAlpair5v3は小口径ということもあり高域の指向性が比較的広くなっているので、床置きの無指向性スピーカーにマッチしていると思います。

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さて、このスピーカーの作り方について簡単に説明します。

まず適当な木製ボウルをご用意ください。(私はニトリで1000円くらいのを買いました。上の直径が23cm,底の直径は10cmでした。)

意外と底の板厚は厚い

あとは底に穴を開け、上にボウルの直径に合わせ丸く切った板を貼り、Φ20mmのダクト用穴、内径20mm長さ5cmの塩ビ管を接着したら完成です。

木製のボウルはウレタンなどで仕上げされている場合が多いので、ヤスリで塗装を剥がしてから接着すると良いでしょう。

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長々となってしまいましたが、案ずるより産むが易しです。理論なんて置いておいて、皆さんも是非部屋全体に響く無指向性スピーカーを作ってみてはいかがでしょうか?

次はOM-MF4Micaを複数使用したアレイスピーカーを考えています。上手くいったらまたご紹介させていただきますので、是非ご覧ください。では。

ジャックダニエルの瓶スピーカー

みなさんこんにちは、スガノです。

Markaudioファンのみなさんは、いつからスピーカーの自作を始めましたか?

私は中学生の時にオーディオに興味がわきはじめ、その後はスピーカーやイヤホン、ヘッドホンなどを安く買っては分解し、その仕組みや音の変化などを楽しんでいました。

本格的にスピーカー自作を始めたのは大学生になってからで、Markaudioのユニットと出会ったのもその頃でした。

Markaudioユニットで最初に使用したOM-MF5 その純度の高い音に驚いたのを覚えています。

学生サークルや仕事を通してオーディオ関連の方々と交流していると、知識や工作の腕前に圧倒されることが多く、ましてやこのブログを読んでくださっている方に自作のあれこれを語っても響かないかもしれませんが…

とはいっても、イベントなどで紹介したときは意外と新鮮な反応を示してくださるお客様もいたので、今回は風変わりな自作(試作?)スピーカーを紹介したいと思います。

ジャックダニエルの空き瓶を使用した瓶スピーカー

これは2020年のStereo誌企画「学生対抗スピーカー甲子園」に出場した時の作品のリメイクで、上記の通り3Lのジャックダニエルの空き瓶に穴を開け、OM-MF4を取り付けたものです。

吸音材を一切使わないうえに、ガラスの筐体なんて酷い音がしそうですよね?これが意外と良い音がするんですよ。

ガラスのヤング率は木材の5倍程度ありますし、ジャックダニエルの瓶は厚みが5mm程あるので、どっしりと頑丈な筐体が木材とはまた違った響きを出しているのか、低域に芯があり迫力があります。

注ぎ口がバスレフポートとしてうまく機能しているようです。

疑似無響室測定で測定された周波数特性

このスピーカーは瓶なので、もちろん蓋ができます。キャップを締めることで密閉型にもできます。

上の周波数特性図はバスレフと密閉を比較したものです。

バスレフは60Hzくらまで伸びていますが、750Hzあたりにポートから漏れた中域が干渉し山谷ができています。このサイズとしてはかなり低域が出ており、中高域にかけてもフラットに伸びていてOM-MF4の優秀さが見て取れます。

密閉は200Hzからだら下がりですが、先にみられたような中域の山谷がなくフラットです。バスレフとは異なりスッキリした印象で自然な中低域なので、ボーカルやギター単体ならこちらで聴きたいですね。

今年のオントモムック付録:OM-MF4Micaを使用して作れば、少し低域が落ち着き、バスレフでバッチリのチューニングになるかもしれません。

Markaudio CHN40推奨エンクロージャーの一例

実はこのジャックダニエル瓶スピーカーは、MarkaudioがCHN40の推奨エンクロージャーとして公開している設計とかなり近いものになっています。つまりT/Sパラメーターの観点からも上手くチューニングが取れているということですね。

本来は吸音材を入れるので、バスレフの低域の盛り上がりや中域の山谷は減少し、よりフラットに近づくことでしょう。(私は見た目を優先したので吸音材は入れませんでした)

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この瓶スピーカーの作り方ですが、私はこちらの動画を参考にしました。↓↓

もはや参考というよりはパクリですね(笑)

(決して瓶スピーカーに関して我々がオリジナルだと主張するつもりは全くありません)

瓶がスッポリ入る容器に水を張り、位置がずれないように治具を用いながらガラスホールソーで穴を開けます。

動画では固定用ネジのために鬼目ナットを挿入していますが、私の腕ではガラスを割ってしまいそうだったので、ユニットを直接瓶にボンドで貼り付けました。

ジャックダニエルの空き瓶はメルカリなどで1個1000円程度、ガラス用ホールソー(Φ70mm)はアマゾンなどで2000円程度で購入できます。

他、ドリルや水を張る容器などがあれば自作できますので、みなさんもいかがでしょうか?

ガラスに穴を開けるときは、割らないようにゆっくり、かつ程よく力を入れながら、慎重に行ってください。

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床置きスピーカーも一緒に紹介しようと思っていたのですが、長くなりそうなのでまた次の記事にしたいと思います。

では、また。

試聴会@コイズミ無線 NC9kit再販!

みなさんこんにちは、スガノです。

7月9日、コイズミ無線様で試聴イベントを開催してきました。

NC7v2 メイプル&ウォールナット コンビネーションモデル

新作NC7v2をはじめ、NC5HやNC9kitなど盛りだくさんの内容で、超満員の試聴会となりました。

お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

商品の説明を行う社長・中島

今回初お披露目となる、OM-MF4Mica 、そしてCHP90Micaです。

Markaudioといえばアルミ・マグネシウム合金のメタルコーンというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、

陰ながらペーパーコーンのモデルも人気商品となっています。

そしてペーパーコーンにマイカ(雲母)を混沙した、新たな振動板搭載モデルが登場しました。

OM-MF4Micaは今年のオントモムック2022の付録として、全国の書店などで販売されます。

https://www.koizumi-musen.com/fea/220712_mook/220712_mook.php

CHP90Micaはコイズミ無線様などで予約注文できます。入荷は8月頭予定です。

https://dp00000116.shop-pro.jp/?pid=169263655

キラキラ光るマイカが見えるでしょうか?

マイカが加わったことで、紙素材特有の軽やかな音に、ハリとツヤが出たような

非常に魅力的なサウンドになっています。ケブラー繊維も混沙されており、強度向上に寄与しています。

OM-MF4Micaは、より軽量化され、ギターの弦の擦れやボーカルの切れ味、スネアの立ち上がりの早さなど

応答が素早く、鮮明で繊細な音場の広がりを実感していただけるのではないでしょうか。

CHP90Micaはさらに本格的な音作りで、上記の魅力に加え40Hzまで再生できるポテンシャルをもっています。

13cm口径ですよ?このサイズでは信じられない再生力ですよね。ベースの最低音まで正確な音程で再生できます。

お客様にこのマイカ混沙振動板の魅力を手軽に体験していただけるよう、

弊社ではそれぞれに合ったエンクロージャーをご用意いたします。

縦置き
横置き

弊社では、オントモショップで販売しているLuxmanアンプ専用の、スプルース無垢材ケースを製造しています。

スプルースの木目のやあられ組みの美しさや、きれいな減衰特性によるアンプの制振・音質の改善などが評価され、

非常に売れ行きが好調です。(製造が大変だ…)

スプルースの良さをスピーカーにも生かしたいと考え、上の写真の「あられ組みスピーカー」を試作しました。

スプルースはピアノやギターなど様々な楽器に使われており、滑らかでクセのない音質になる傾向があります。

OM-MF4Micaの立ち上がりの早さにスプルースの柔らかな響きが加わり、特にピアノ音源では演奏者の指使いまでもが浮かび上がるような、素晴らしい表現力のスピーカーになりました。

低域は70Hzまで伸びていて、コンパクトなサイズながら十分な量感です。

見た目も音質も飽きの来ない、部屋に置きたくなるようなデザインにできたと思います。

(販売時期・価格などについては調整中のため、続報をお待ちください)

そして、お待たせしました。NC9kit再生産の目途がやっと立ちました。

8月末には、オントモショップ様、コイズミ無線様などで再販できると思います。

凹凸が噛み合うことで組み立てやすく空気漏れがなく、素人から玄人の皆さんにお勧めできる製品です。

赤松の温かく粘りのある響きがCHP90Micaの音の傾向とマッチしており、試聴会でも好評を得ていました。

製造できる数には限りがあるため、お求めの際はお早めにお願いいたします。

https://www.koizumi-musen.com/fea/220714_nc9/220714_nc9.php

現在再び新型コロナの感染者数が大拡大しており、今後しばらくイベントの開催が困難になるかもしれません。

試聴会で音をお聞かせすることができないのはとても残念ですが、おうち時間が増えるであろう今後は、

お客様のご家庭でマイカ振動板の音の良さを感じていただけたらと思います。

ご体調には十分お気をつけて、オーディオライフを送っていきましょう。

次回は床置きスピーカーや瓶スピーカーなどDIYの楽しさについて書きたいと思っています。では。

NC7 Gen2 販売開始!

NC7v2の開発はNC11の弟分の商品を開発したいと以前から内部で試作を重ねていました。
工場移転もあり少し遅れていたのですが、先ずは写真の試作機を製作し前回(3月)に写真の試作モデルをコイズミ無線でのイベントで公開しました。

NC7v2プロトタイプ

 音出しをしたとたんに『お~、響きが違う。全然ちがう』と試聴会の雰囲気がガラッと変わりました。その雰囲気の変化はある意味GOサインを出すのに最高のシグナルでした。

この試聴モデルはメープルのフロントバッフルに北欧バーチ材でサイドパネルなどを使って製作したものですが、周波数特性も理想的で何とも言えない音の良さがあり私も気に入っていました。

3月の出張で製造を依頼している浅村さんと細部の調整をしてようやく4月末の5ペアずつ10ペア完成してきました。

ウォールナット無垢モデルはウレタン光沢塗装、メープルとのコンビネーションは艶消しウレタン塗装で、随分雰囲気が違います。

松本工場から送られてきたエンクロージャーを開梱してその仕上げの美しさに私は胸を打たれました この美しい天板が感動的です。5枚の無垢材で構成されているのですが、手で触ってもまるで一枚板です。写真で表現できないのが残念です。

このオーバルバスレフは低域の再生品質に大きく貢献していますそれにしても美しい高級家具を彷彿させます。

この美しい処理の一部は松本市の楽器製造工場のCNCが行っています。浅村さんがCNCのCAMの動作指示が無垢材の木目に沿い逆目にならない様に動いていると改めて感心していました。

仕上の美しさだけではありません。先週行われたコイズミ無線のイベントで、参加いただいた皆さんとオーディオ談議をしていると、一人のお客様が丸椅子に座ったまま、『いやぁ~、いい音だった。聴き入ってしまいました。気持ち良かったですよ!』とその場を動こうとしません。

結局、NC7v2_コンビネーションを購入して頂きました(決して押し売りしてませんよ)。

何が嬉しいといって、音を聴いて購入頂く以上の事はありません。本当に有難うございました。

入社しました

みなさん、はじめまして。

4月からフィディリティムサウンドに入社しました、スガノと申します。

社長とはStereo誌企画の学生対抗スピーカー甲子園にて出会い、学生時代はアルバイトとして仕事をお手伝いしていました。

様々な縁があって、この春からお世話になることになりました。よろしくお願いいたします。

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入社報告記事だけでは心もとないので、本日アッセンブルしたDuo5 Activeについて少しだけ・・・

ブラックチェリーのバッフルの奥に、ピアノブラックの光沢が輝いています。

Mark Audio には様々な種類のドライバーがありますが、個人的に一番の好みはこのAlpair5v3です。

シングルサスペンションでストレスなく動く振動系を、背面にある47研究所製モノアンプが最短距離でダイレクトに駆動し、弦の擦れる音や、録音会場の静かな残響音まで、繊細に鳴らしてくれます。

Mark Audio のドライバーをお持ちの皆様はお気に入りの高価なアンプをお持ちのことと思いますが、一度このActiveの音を聴いてみてください。据え置きの大型アンプとはまた違った魅力があり、特にAlpair5v3の繊細さを引き出すのにベストなシステムだと思います。

PCの横に置いて音楽を聴くのも良し、寝室で静かにBGMを鳴らすのも良し、広い部屋でも充分な鳴りっぷりです。

Nature Collection NC5Hでも47研究所製モノアンプを搭載可能ですので、そちらと合わせてご検討ください。

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今後は私がメインでこのブログを更新していく予定です。

社長ほど音楽について知識や経験があるわけではありませんが、音響についてはエンジニアの端くれですので多少の知識はあると思います。

これからは社長の音楽に対する知見と、私の科学的な知見から、測定なども交えてMark Audio ドライバーそしてFidelitatem Sound Nature Collection シリーズの良さをお伝えしていく予定ですので、今後とも是非ご覧ください。

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次回の更新は、生まれ変わったNC7について・・・お楽しみに!