Alpair6の試聴とmetalコーン

Alparir6の評価です。
Alp6_paper_july2010
 
前回のほぼ完璧なモデルをもう1度作り直した特性です。
銅キャップつきと銅キャップなしのテストです。文句無く高域が違うので、これは議論になりませんでした。
これを見るとやはりこのユニットは異様に特性が綺麗 ですね。
 
それから、今回の最大の秘密を皆さんに少し公開します。左の特性のモデルは実はVCのメーカーを変更しました。あのJBLを支え続けたG電子が製造し松原さんが設計したものです。
 
 
 
 
spider10もう1つスパイダーを一部だけお見せします。超特別品ですがどうです!皆さんお持ちのダンパーをもう1度見比べてください。私はその薄さと精度の高さを触って実感してきました(Alpair7、12も一緒です)。
 
 
 
 
 
 
 
私だけができる前回の試作モデルとの音質比較です。まず、低域が『えっ?』という・・・『あれ別のユニット鳴らしてたっけ』と言う様な低音。8cmのユニットなんて絶対想像できません。それからリニアリティーがさらに向上し明確な表現に変化しました。
 
銅キャップ無しのモデルとの比較は高域がなだらかに落ちていますので・・・・
 
 
そして最後に!!!!
  
実は、今まで黙っていましたが、メタルのあの幻のAlpair6も復活する事になりました
 
Alpair6は、大変お待たせしましたが、ほぼ完璧な体制で皆様にご提供できるようになりそうです。(9月末ですよ!) 
 
 
 
T/Sパラメーターは、
 
Alp6 – With copper cap
Revc= 3.600 Ohm
Fo= 71.647 Hz
Sd= 36.320 cm2
Vas= 3.263 Ltr
Cms= 1.742m M/N
Mmd= 2.707m Kg
Mms= 2.833 g
BL= 2.743 T·M
Qms= 1.843
Qes= 0.610
Qts= 0.458
Levc= 10.574u H
No= 0.190 %
SPLo= 84.810 dB

Alp6 – No copper cap
Revc= 3.600 Ohm
Fo= 73.097 Hz
Sd= 36.320 cm2
Vas= 3.335 Ltr
Cms= 1.780m M/N
Mmd= 2.537m Kg
Mms= 2.663 g
BL= 3.014 T·M
Qms= 1.785
Qes= 0.485
Qts= 0.381
Levc= 63.574u H
No= 0.260 %
SPLo= 86.166 dB

 
おまけです。下の評価はGrahamさんと言う、EMIのアジアの責任者の方のレポートです。英語に憶えのある方は其の侭、不安の方はネット翻訳を使って楽しんでください。
彼は自作アンプにB&W802改造版からAlpair12のペンシルモデルに変更して楽しんでいる。結構凝ったおじさんです。自分でホームページを公開していますので興味のある方は http://home.netvigator.com/~goneill/index.htm も見てやってください。

Please remember these are pre-production results from 2 sample units. Provided the beta testers like the sample drivers, I normally expect to get the mass production units close to the samples. All the same, there’s likely to be some small variations in the results so bear this in mind – thanks.

 
 
 
The testing for the Alpair6 drivers seemed to produce a much clearer result than the Alpair10 test. On the 10s we could see why somebody might prefer one type of winding to the other, or why the rest of their system might make one driver sound better.

But with the 6s it seemed much clearer which we all preferred.

Having said that it was an interesting test as we tried one of the drivers (the copper cap one I think) in two different cabinets. One looked like a small ported box – the brown, driverless pair in the front of the photo above. It was beautifully made and sounded pretty good, but the other (on top of the stand in the photo) sounded much better. It was vented at the base so looked like a small version of my Pencils but Mark said there was a baffle inside too. This produced a much fuller sound that was really impressive for such a small driver without making it sound at all muddy or bloated.

Comparing the two versions of the 6s was then done using the vented cabinet. We started with the copper cap version and I was surprised at how good the sound was. It was nicely balanced with decent bass and clear treble and would be perfect for a high end small office/room/desktop system.

When we swapped to the no copper cap version I found the results a little disappointing. The higher frequencies were quite rolled off so it seemed rather flat. Compared to typical commercial speakers of it’s size I’m sure it would score very well, but having just listened to the cap version it really didn’t sound very special at all. (Sorry, Mark!).

On the Alpair10s I could see a good reason to produce both models but, personally, for the 6s I felt the copper capped version sounded so much better than the non-capped one that I’m not sure it would make sense producing both. Maybe there are different setups or applications where the non-capped version would have an advantage, but in the setup we used (the vented box with a lower power tube amp) I would definitely choose the capped version.

 
 
こんなに開発中の内容を公開していいのかな?まあ、マークもだしているからいいか・・・・・
 
 

Alpair10,6 プロトタイプ試聴会

前回お話した新製品の評価は無事に終了しました。

今回のプロトタイプは様々な改善がされていますが、特に大きな関心はプロトタイプVC に集中しました。

興味はエッジワイズコイル(平角線)を搭載したモデルと今までのラウンド線との比較試聴にあります。下に掲載しているT/Sデータで解りますが、Qtsが1dB以上差がある事とコイルの重量がエッジワイズが比較してかなり軽くなっています。

音は結構違いました。一言で言うと、繊細さのエッジワイス対迫力のラウンドとなります。

もっとクールに説明すると、エッジワイズ(Rectangle copper)は繊細に楽器の表情を表現しますが、ラウンドコイルと比較して低域が少し軽いかも知れません。しかし150hz -5000hzが2dBほど高いためか、ベースのスケールが良く聞こえますし私としては好みかなと思います。 英国人のGrahamはラウンドの方が絶対良いといっていました・・・松本さんが言っていた日本人的耳を私が持っているかも・・・ 

Alpair10 T/S パラメーター

Standard round copper
Revc= 7.400 Ohm
Fo= 38.476 Hz
Sd= 8.825m M
Vas= 26.231L
Cms= 2.363m M/N
Mmd= 7.156 g
Mms= 7.633 g
BL= 5.738 T
Qms= 2.132
Qes= 0.404
Qts= 0.340
No= 0.329 %
SPLo = 87.12 dB

Special copper rectangle
Revc= 7.400 Ohm
Fo= 40.479 Hz
Sd= 8.825m M
Vas= 26.03L
Cms= 2.363m M/N
Mmd= 7.147g
Mms= 7.603 g
BL= 5.936 T
Qms= 2.241
Qes= 0.378
Qts= 0.323
No= 0.352 %
SPLo= 88.393 dB

いずれにせよ、現行のAlpair10よりすべての面で改善されています。

とりあえずブログを公開します、時間ができたら、もう少し明細を加えて、もう1つAlpair6(今も部屋で聞いています。これもすごい!) のレポートもするつもりですので楽しみにしていて下さい。

日系の工場で

shisaku最近はAlpair10 Alpair6の次期モデルの開発にMarkと行動を共にする事が多くなりました。 今まで、スピーカーのドライバーは出来上がった後からのお付き合いだったのですが、とうとう製造の領域に手を染めてしまいました(と言っても手弁当で同行してるだけですよ)。要は日系の工場と言うことで、へたくそな通訳など後ろからちょっと助けてね!ってことです。

添付の写真は試作の時のスナップですが、この後どうもどこかでスイッチが入ってしまいMarkは私の事が視野に入らなくなった様です。『ま、そうでないとらしくないよな』なんて納得したりして・・・と言う事で私は早めに松原さんと切り上げました。で大した手助けですよね。

私にとっては今回は日系の工場での製造ですので、結構ユニットの構造・製造を理解するにはとても助かります。やっぱりMarkのドライバーの素材は本当に良いものを使ってると松原さんにほめて頂いていますが、実感する事ができるとj販売への影響は大きなものがあります。

 ところで、今回の日英連合製造をみていて、面白い事に気が付きました。音に対する追求と妥協のプロセス、ポイントが随分違うんだなと思います。結局はゴールに向かうまでの考え方やり方の違い?と言えばそれまでですが、最後に出てくる音は随分違うと思います。日本のメーカーの中では常に予算とコストを意識させられるせいか、『音楽を聴くと言う』プロセスが製造の過程でなんとなく影が薄い感じと言うか大切にされない?と言うか、松原さんの現役時代の話からも、結局音楽でなく『音を聴いてしまうんですよ』と言っていました。納得。 と言うわけで、今日はこれから視聴テストです。

箱はすぴ研の飯島室長がデザインし、ホワイトバーチで作った試作箱を使用します。

 sannkasya

 正面に立っているのはGrahamさんEMIのアジア代表です。マークの友達です。

右下に座っているのがTwinaudioのTony。色々な国の人たちからの評価をフィードバックしてコイルを決めると言う珍しい光景です。皆で視聴に使うCDを持ち合って、その中から3種類の音楽を選んで何度もユニットを付け替えて聴き比べました。 

予断ですがTonyの右にある真空管はEL34シングルの100V仕様です。日本への販売用に試作してもらいましたが、正直予想をはるかに上回るサウンドで、その後ろにあるアーキュフェーズを最近は全く聴かなくなってしまいました。

と言うことで詳細は近いうちにレポートします。