Alpair5v3SSのとても解りやすいい説明とエンクロージャーキットの製作(電子工作マガジン)

先日、共立電子工業の小椋様から電子工作マガジンの春号が事務所に送られてきました。
昨年から共立さんとは本格的にお取引を始めさせて頂き、イベントの開催でご訪問していますが、ショップにはありとあらゆる工作部品が置かれ自作ファンの心を掴んでいます、フィギア侵略以前の秋葉原の雰囲気がお店の中に漂っており、個人的にも応援したいなと思います。

この電子工作マガジンに『マークオーディオ製ユニットで高性能スピーカーを作る』という小椋氏が寄稿された記事が載っていましたのでご紹介します。協立電子製エンクロージャーの製作の記事ですがAlpair5v3SSの説明がシンプルで実に解りやすく解説されているので、許可を頂いて掲載する事にしました。

スピーカーは電気入力信号を機械的動作への変換機ですが、実はダンパーはボイスコイルの動きを阻害しているとも言えるのです。

磁性流体は液体でAlpair5v1で使用していました。陸上を歩く時とプールの中を歩く抵抗感を思い出して頂くとピストン動作を阻害する要素だと解りますね。



四角い銅線をRectangular wire と言います。






















マークオーディオ製STBP25バスレフポートも採用して頂いてます。





長さを調整し終わたら接着材が塗布されたプチルゴムで巻くと音質向上につながります。







ステップ11でねじを絶対に締めすぎないで下さい。ABS樹脂製のフレームですので、絶対にゆがまない様にして下さい。ボイスコイルの角度が変形すると歪みます。










ワトコは私はイギリス製を使っていますが家具用の高品質油です。3~4回は重ね塗りをして、一年に一度位はまた塗ってあげると飴色に美しくなります。
















エージング
エージングは音域全般に1週間ほどで立体感が表現されます。

さらに100時間も鳴らすと低域のボリューム感が圧倒的に変わります。柔らかいユニットですので爆音は絶対に避けて下さいね。

マークオーディオ賞     塚田氏大谷石スピーカー 

第10回自作スピーカーコンテスト(OM-MF519)でマークオーディオ賞受賞作品『大谷石スピーカー 後面開放+』を製作者である塚田氏からお借りしてStaying Home の時間を利用してジックリそのサウンドを試聴してみました。

このモデルとの出会いは音楽之友社試聴室で行われた2次選考の場ですが、最初は沢山の参加者の力作の中であまり目立たぬ作品でした。

特に今年の参加者の作品は総じてレベルが高く、選定に迷うところがありましたが、方針としては小型で個性が光る作品をマークオーディオ賞に推薦しようと考えていました。例を言えばテクニカルマスターの尾崎さん、一般一位の安福さんの音質バランスはプロ顔負けで文句なく素晴らしく各受賞にふさわしい仕上がりと内容でした。それはそれとして、前述の小型で個性的と言う見地からの選択となった時に、迷わずにこの大谷石スピーカーを選ぶことにしました。

            フロントバッフルは大谷石を切り出して使用しています。ダンピングファクターが高く軽く柔らかい凝灰岩は非常に魅力的な素材と感じました。こうした新素材への挑戦はこうしたコンテストでは本来評価が高くあるべきでしょう。


さらに後ろからのスナップショットです。
まさに後面開放です。この状態と加増をよく見ると4か所に穴がありますがここにバックパネルを取り付けるとリアバスレフに変身します。

実は選考会では、後面開放にしたところすぐに『低域が無いね』と言う意見がありすぐに バスレフ仕様に変更すると、評論家諸氏は『あぁこれの方がずっと良い』となって後面開放は直ぐに試聴が終わってしまいました。

私の本音はこの作品は バスレフで聴いてもあまり魅力を感じることはありません。バスレフのチューニングも容積の最適化も側板の強度も追い込めば随分変わるであろうという印象ですし、バスレフにしてしまうと良さが無くなってしまいます。

対して後面開放での中域は一瞬で再生音の違いを感じます。アタックの速さ強弱の表現、残音の響き、リリースの表現。『おっ』と思います。

今回お借りしてじっくり聞いてこの利点は賞に値するレベルと改めて感じました。何と言ってもジャズギター、ブルースギターの音は普通のスピーカーシステムと全く違う表現力でジムホールとロンカーターのDuo(Alone Together)のギター表現は圧倒的です。残念ながら、ロンカーのベースはピッコロベースかマイクロベースといったところですが。(要するに低音は出ませんので、レガシーオーディオの評価では規格外なのでしょうね)

今回ジックリ聴き込んで改めてこの音は小生の学生時代放課後の教室で鳴らしたGibsonやFender のツインリバーブの音を何度も思い出させてもらいました。そうですマークオーディオ賞に推した理由は『長年オーディオに親しんだ方が、メロディー楽器の音色表現に焦点を絞って音楽を楽しむ』と言うのは本当にツウでベテランだから出来る洒落た技と感じたからです。ですから私には、バスレフ変換用のアタッチメントは不要で蛇足と思います。

いやそれにしてもCHN519 (OM-MF519 )のサスペンションの柔らかさを再生する方法としては一つの考え方ですね。

おまけ

オーディオ界の中には周波数特性こそと言う考えがまだまだ主流ですが、音楽の表現で絶対に耳で確認しないといけない特性は音の鮮度とADSRの時間を加えた音楽表現が出来ているかと言う部分は余り主張する方は見受けられません。今回は理論を説明すると面倒なので下のYouTubeで音の違いを実感して下さい。アタック(A)サステイン(S)、リリース(R)がいかに重要かわかります。