ラインアレイスピーカー完成!

皆さんこんにちは、スガノです。

MJオーディオフェスティバルにお越しいただいた皆様、灼熱の中わざわざお越しいただきありがとうございました。久しぶりの開催ということで、弊社にはみなさまにお聞かせしたい製品がたまっておりキツキツのスケジュールとなってしまいました。次回はもう少し余裕をもって、みなさまと交流できるような時間も設けたいと思います。

今回は「ユーヴェ工房」代表野上さんと一緒にイベントを行いました。

さて、初めてラインアレイスピーカーの話をブログに上げてから何度朝日を迎えたことでしょうか。MJオーディオフェスティバルでは発表させていただきましたが、やっとラインアレイスピーカーが完成しました。

ラインアレイスピーカーは、ライブ会場や講演会場など大音量で遠くに音を届けるために使われることが多いスピーカーです。縦にユニットを隣接して並べることで線音源となり、上下方向の指向性を狭め天井や床からの反射音を低減したり、通常の点音源のスピーカーと比較して2倍遠くまで音が届くというのがラインアレイのメリットです。また単純に振動板面積が大きくなることで大音量が出せるというメリットもあります。

ヒビノ株式会社HP https://marketing.hibino.co.jp/jblpro/3918.htmlより

一方弊社が考えるラインアレイのメリットは、線音源による映画館のような独特の音場感、また1個1個の振動板が軽く、振幅が減ることによる歪の低減・微細音の再現力にあると考えています。まぁ、これは上で紹介した本来のラインアレイのメリットを違う視点で捉えたようなものですが、あくまで弊社としては大音量でドカーン!という使い方ではなく、マークオーディオユニットの繊細さを大いに活かした使い方だよ、と強調したい所存であります。

縦に長くてすみません

上の画像は以前のコイズミ無線試聴会での写真ですが、この時は箱の補強が弱く、側板がワンワン鳴いていました。それはそれで迫力のある音でしたが、弊社のNature CollectionやNCキットと比較するにはまだ及ばない出来でした。

バイオリンなどの楽器に用いられる、「魂柱」はご存じですか?バイオリンの表板と裏板を繋げる唯一の構造で、表板の響きを裏板に伝えることで豊かな響きをもたらすものです。魂の柱と書くくらいですから、聞いた話では1mm取り付ける位置が違うだけで音がまるで変ってくるそうです。職人の世界は凄いですね。

f字孔から覗く魂柱

楽器の生音再生を大事にする弊社の音作りにおいて、魂柱を使うことでラインアレイの側板を補強しつつ木の響きを持たせようと考え、実行に至りました。

既に板は接着してしまったので、ユニットの取付穴から棒を入れ側板に突っ張るように固定し、手の入らないところはトンカチでコンコンと奥に移動させました。たしかに!コンコンと奥に移動させるにつれて、トンカチから箱に伝わる振動による音が変わっていきます。さすがにミリ単位の調節はできませんが、突っ張る位置によって音が大きく変わりました。最終的に側板の中央より少し前側、正面から13cmほど奥の位置に4本魂柱を固定し、補強作業は終了しました。

側板をノックすると、以前は「コワーン」と響いていた音が「コン」と収束の早い音に変化しています。全面をガチガチに固定しているわけではないので、赤松の軽やかで粘りのある響きを残しつつ引き締まった低域にすることができました。(やっと人前に出しても恥ずかしくないスピーカーになった・・・と妙な親心を感じたりします)

青線:総合周波数特性 オレンジ線:ユニットの特性 灰線:ダクトの特性

上にf特を示しました。このラインアレイを聴いたことがある方は、図の低域の落ち込みに「えっ?」と思うのではないでしょうか。私は思いました。聴感上では十分低域は出ていて50Hzくらいまでフラットに出てるように感じます。

1kHz以上は1m離れた地点で測定しており、高域の干渉シミュレーションとも概ね一致しているので正しい測定になっているはずですが、1kHz以下はニアフィールド測定のデータをソフト上で合成したもの(疑似無響室測定)なので、もしかしたらラインアレイの様にユニットやダクトが数多く隣接しているようなスピーカーでは正しく測定できないのかもしれません。もしくは、測定は正確にできているが、床に近い位置のダクトや縦方向の半波長共鳴が低域の量感や迫力を出しているのかもしれません。

1m地点でのシミュレーション
5m地点でのシミュレーション

あくまでVituixCAD2というソフトでのシミュレーションですが、5m離れたところで聴けば20kHz以下において高域の干渉による大きな凹凸は無くなります。「ラインアレイを聴くときは部屋を明るくして離れて聴いてね」ということでした。

以上、ラインアレイ開発記をお送りしました。商品化は未定ですが、もしラインアレイを作りたいと少しでも思ったなら是非やってみてください。一般的な家庭の広さなら4発縦に並べただけでも充分ラインアレイの効果を実感できますし、やはりラインアレイにしか出せない音が確かにあります。

では、また。

ラインアレイスピーカー完成!” に対して5件のコメントがあります。

  1. 石井 より:

    初めまして。
    このラインアレイスピーカーを作ってみたいと思います。もし可能であれば、設計図、
    板取図、8個のスピーカーをどのように接続したか教えていただけないでしょうか。

    1. admin より:

      コメントありがとうございます。
      図面は公開できませんが、主要なパラメータを以下に示します。
      高さ120㎝、幅12cm、奥行24~32cm(斜め)で内部容積は約23Lです。板厚は18mmです。
      サイズが大きいため、内部補強を充分に行うことをお勧めします。
      スピーカーの接続方法については、以下のURLをご参照ください。
      http://www.fidelitatem-sound.jp/a_Special_MOOK2022P7.html
      2つのユニットを直列接続し、それらを4つ並列で繋ぐ接続方法です。
      他に疑問点があればお伝えください。

  2. 石井 より:

    ご回答いただきありがとうございます。
    12-3畳の部屋で使用する為、ユニットを8個ではなく4個使用も検討してみます。

  3. 石井 より:

    度々の質問で申し訳ありません。
    CHN40とCHN40 P Maicaのどちらの方が
    情報量が多く、解像度が高いでしょうか?
    低音はサブウーファーと合わせて使用する事を考えてるので、それほど重要視していません。

    1. admin より:

      情報量と解像度では振動系が20%程軽いCHN40Pmicaの方が高いレベルにあります。低音も含めた全体のバランスではCHN40が良いですが、サブウーファー前提であれば40Pmicaがオススメです。

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