コイズミ無線でのイベントを終えて

みなさんこんにちは、スガノです。

先日はコイズミ無線でのイベントに多くの方にお越しいただきました。前日は大雨でどうなることかと思いましたが…ありがとうございました。

今回も盛りだくさんの内容で駆け足での進行になりましたが、イベントの目玉は新製品「MAOP11MS」と「ガラス振動板CHR90」でした。

MAOP11MSはAlpair11MSのアルミマグネシウム振動板をMAOP処理で特殊セラミック加工したもので、他にもボイスコイルに平角銅線を使用したり、端子からボイスコイルまでのティンセルワイヤーに銀線を使用したりと、Markaudioのノウハウを総動員したフラグシップモデルとなっています。いうまでもなく、ダンパーの無いモノサスペンション振動系、平面振動板に近づけたネガティブキャンバーコーンはAlpair11MSからそのまま引き継いでいます。

Markaudioの技術であるMAOPとモノサスペンションに共通してある音の傾向は、どちらも「静寂感」が再現されることです。MAOPはメタルコーンの硬度と内部損失を向上させ、振動板を伝わる音速がより早く、そして信号が止まれば振動も止まる、つまりは立ち上がりと立ち下がりの早い理想的な音により近づきます。モノサスペンションは、本来ボイスコイルから振動板の間にあるダンパーを排除することで、ボイスコイルの繊細な振動をロスなくセンターキャップに伝えます。また振動系を支持する構造はフロントのエッジのみなので、大振幅が入力されたときにブレーキなく動くことができます。(その分過大入力には弱くなりますが…一般的な家庭であれば充分な音量が出ますのでご安心ください。)

イベントにお越しいただいたお客様からは、以下の感想をいただきました。

”逆説的な言い方ですが、良いスピーカーは静けさがいいんです。
音の合間の残響の時間・・・その余韻、フェイドアウトした後の脳内の響き、
そして静寂。・・・MAOP11MSは、静けさを感じることができるんです。”

Markaudioの技術の粋を集めたMAOP11MS、ご検討ください。発売は9月頃を予定しています。

一方、ガラス振動板のCHR90はMarkaudioには無かった、いや他のどのメーカーでも採用したことのないであろう、化学処理された強化ガラスを使っています。ダイヤモンドやボロン、ベリリウムなどいろいろなメーカーがいろいろな素材を使ってきましたが、Markaudioは今回ガラスを使います。

この素材は先ほどMAOP11MSの感想をくれたA氏から紹介していただいたもので、日本のガラスメーカーN社が素材を作り、台湾のG社が振動板に成形しています。今回の振動板形状はG社が設計したものがたまたまCHR90のサイズに合っていたので、その実力を測ろうと試作しました。

↑これはG社のサンプルです。まさにガラスといった見た目です。

イベントの当日朝にブツが届いたので、我々もきちんと音を聴かないままイベントで鳴らすことになっていしまいましたが、素晴らしい音で鳴っていました。はじめは少し高域にトゲがある音でしたが、鳴らすうちにトゲが丸くなり、ガラスの澄んだ響きが広がるようになりました。この響きをどう言葉にするか悩みますが、「乾いたスカッとした音」と「水気を感じるしっとりした音」が両立している響き、とでも言いましょうか…砂漠の細かい砂のサラサラとした、それでいて水面に水滴が落ちる音の雰囲気もあるというか…文才があれば良かったなと痛感しています。

端的に言うなら風鈴の音が近いかもしれません。もちろんリンリンと鳴り響くことはありませんが、清涼感のある美しい響きです。特にピアノの音がとても気持ちよく鳴ります。現在Markaudio設計の振動板形状で試作を進めていますので、次回はより薄く軽量化し”Markaudionize”した音をお届けできると思いますのでお楽しみに。そのうちブログでもガラス素材の物性について取り上げたいと思います。

そうそう、今回は新先生に急遽ご参加いただいたのですが、新先生が数年前より設計・使用されている「焼きガツオスピーカー」の製品バージョン「チムニー」が近々ステレオサウンドより発売されます。今回のイベントではアンプの不調により100%の実力を発揮できなかったかもしれませんが…無指向性の音の広がりと特注紙筒製密閉型エンクロージャーによる独特の低域は実感していただけたのではないでしょうか。

上の写真の右側が基本セットとなり、延長筒を別途購入すれば左のように背が高くなります。基本セットは赤松製バッフル板をフタに接着し、ターミナルと内部配線も付いた状態でのお届けとなります。ユニットも一緒にご注文いただけば取り付けた状態で発送いたします。価格は基本セット(ユニット無し)でペア3万円程度になるとおもいます。詳しくはステレオサウンドからの続報をお待ちください。

では、また。

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