Alpair10P エンジニア達の試聴会
プロローグ
先週Markとの一シーンです。無線と実験を読み耽って?います。
言葉の才能は認めれないMark博士は何故かMJが大好きなのです。
Mark
『Norio日本のオーディオファイルのレベルは圧倒的に世界一だよ』
私『そう?』
Mark
『これだけ正しい評価をしてもらえる雑誌は他の国にはないよね。このDuoの評価みても技術の裏付けが感じられるよ』
・・・・・いろいろしゃべっているうちにだんだん車の話になって・・・
『うちの親父は自分の設計したJaguer(4.2Ltrの設計者)ではなくトヨタを買うんだぜ!』
・・・・・・と必ず日本の車がいかに素晴らしいかとなっていきます。
(前回Markが買ったホンダの車は3回スピード違反をしてこのままでは免許を取り上げられてしまうと言うことで売り払ってしまいました)そして今はフェアレディーが欲しいと言っています。
本題
その数日後に某スピーカーブランドのL氏、S氏を迎え、今後の販売・製造共にコラボレーションに向けて、ちゃんとMarkaudioの音の評価をしたいと訪問され再度試聴会となりました。
中央Duoの左隣にあるバーティカルツインのエンクロージャーは無垢のヒバを使用した手製で4年間にわたりAlpair10v1を搭載して愛用していましたが、ついにユニットの変更となりました。
今回はこの想い入れの箱にAlpair10Pを装着して先ずは全Alpairシリーズの本格的な試聴会です。
音出しから『素性』の良さがはっきりとわかります。あのJordanスタイルのAlpair10v1はデザインも音もがやはり古典的に感じられます。それにずっと使用していたリーフツィーターはしばらくお蔵入りです。
17:00に今回のゲストが来るのでウォーミングアップをしていると、Markがリスニングルームを片付け始めます。・・・・・・・う~ん確かに散らかっているな。まあ良く見ると半田ごてからCDから・・・客人を迎え入れる状況ではないか・・・・などと思いながら。
いらっしゃいました。挨拶もそこそこすぐに試聴です。最初から厳しい録音のCDばかり持って来てDuo60、70ををいじめまくります。大砲の音を最初から鳴らすなよ!って状況です。・・・・・広東語も混ざって・・・どんどんスピーカーを変更して試聴会です。
S氏『Lさんこっちにきて聞いてみろよ。 本当に気持ちの言い音だぜ。”好舒服呀” 』
L氏『おれのxxx百万円のスピーカーより全然いい音だ』
だんだん大騒ぎになってきました。本当に驚いていると言うより感激しています。
かれはエンジニアで、アンプ工場、スピーカー工場を持つ成功者ですが、かなり厳しい人で簡単にはYesと言わない厳しい親父さんです。(だから大砲から試聴始める訳ですが。)
一時間もすると私のCDをひっかきまわしながら、『う~ん、本当に気持ちいい音だ。舒服呀、舒服呀』とスピーカーやCDを取り換える毎にうめいています。横でMarkは『してやったり』と言う顔をして、言わなくても良いのにユニットの説明が始まりますが、S氏は聞いてはいません。『この人本当に音楽が好きな方だ。いい感じだ!』と私。
4時間ほど皆で音楽に浸り、最後にL氏『僕はDuo60の見積もりをくれ』S氏『僕はその無垢の木の箱(Linfof製)ブックシェルフで聞いてみてくれない』となり、なんだか商売になってしまいました。
PS
今回もS氏から『どのユニットやスピーカーボックスが一番いいと思ってるの?』という質問がありました。私は・・・『あなたの好きな楽器の材質に近いコーンの材質を選んでください。』
それから、もう一つは『個々のユニットやボックスは設計のポリシーが必ずありますからそれを理解して決めて下さい』と答えておきました。
皆が帰ってから『良い音』とは何なんだろうと改めて考えてみると『心地よさ』とか『満足感』であり、どれだけ繰り返してまた長い間聞いていられるかが大事で会って再生周波数とかフラットレスポンスはその裏付けに確認するためのほんの一部の情報でしかないと改めて思った次第です。 そして私が最後に鳴らしたのはやはりMiles Davis Quintetでした。
PSその2
今回の10Pの開発・設計はMarkが当時入院していたため、一時リモートでEvanに指示しながら開発をしていました。そのEvanはこの人です。
Markはあまり人を非難しないタイプですが、某ブランドJ博士の影のエンジニアの時代に全ての成果を取り上げる売名行為とスタッフ使い捨てのこの過去には強烈な批判をします。そのためか今回は自分が設計をしていても共同で活動したEvanの名前を印刷に入れています。
立派な英国人スピリットと思います。
今週はMarkがAlpair10v3 を持って来ます。え~と何時来るんだっけな?電話して確認しておこう。